インタビュー

東京女子医科大学合格!文系学生が挑んだ医学部再受験

東京女子医科大学医学部医学科正規合格 再受験生SKさんにお話を伺いました。

聖マリアンナ医科大学医学部医学科正規合格 再受験生MKさんの記事はこちら

 

文学部から医学部へ、再受験を決意したきっかけ

実は、高校生の頃から医療関連の職業に興味があったんです。父が医師だったこともあり、医療系の仕事については幼い頃から身近に感じていました。だだ、現役での受験のときは、医学部に入る=医師になる、ということへの決意が固まらなかったのです。いろいろと自分の将来を思い悩むなかで、自分の職業の選択肢が限定されてしまうように感じたということもあり、医療と同じく興味があった心理学や哲学といったことを学ぶことのできる文学部へ進学することにしました。大学での勉強は非常に意義深かったですし、今振り返っても、私にとって大事な財産となる時間だったと思います。

 

さて、大学3年次の12月から就職活動を始めたのですが、説明会や選考に臨む中で、頭に浮かんだのはやはり医療系の仕事に就きたいという思いでした。そこで、製薬会社や医薬品開発の企業などの説明会にも参加したのですが、そこで思い知ったのは「文系でもできる仕事」と「医療現場の専門家の仕事」との大きな違いでした。心理学を専攻し、臨床心理士の資格は取得していましたから、患者さんと直接接する仕事を選択することももちろん可能です。しかし、自分が関わり、寄与していきたいと考えている医療現場との距離は大きいと感じました。自分が生涯かけてやっていきたい仕事とは何か、そのために自分は何をするべきか、ということを考えたとき、やはり医学部での専門的な教育を受け、医師となることがどうしても必要だと感じたのです。

編入か一般か、医学部へのアプローチを決めた経緯

まず検討したのは医学部学士編入学でしたが、すぐに大きな壁に当たりました。医学部の編入試験というのは、試験内容が大学によってかなりばらつきがあることや、情報が少なく対策が困難なだけでなく、なにより実際に理系学部で専門的な学習をしてきた方や、理系分野で社会人経験を積んだ方などが挑む大変難しい狭き門です。調べてみると、大学側にとっては現役生、浪人生にはない資質や能力を問う場であるという側面もあるようです。

 

自分の学力や大学での勉強を考えたとき、学士編入という土俵の勝負は難しいと感じ、次年度の一般入試に挑むことを決めました。一般入試を決意した時点では4年生になっていましたが、まだ授業はありましたし、サークル活動なども行っていましたので在学中は学内での授業や卒業論文などに向き合い、まずはきちんと卒業し、3月から予備校探しを始めました。

 

ちなみに、再受験を決めたとき、家族は「あなたが本当にやりたいなら」と応援してくれました。基本的には予備校も受験校も自分で決めましたが、それを温かく見守ってくれた父や、予備校時代に毎日お弁当を作ってくれた母には本当に感謝しています。

まずは自分の学力を理解するところから始めた

受験を決めてからまず最初に意識したのは、自分の今現在の学力状況についてです。私の場合、現役の頃から英語が得意で、大学でも勉強は続けていましたからある程度のアドバンテージがありましたし、生物も暗記することに抵抗はなかったので得点を取りやすいと感じていました。逆に、数学と化学については全くダメだな、と感じましたね。高校生のときは文系でしたから、数学ⅡBまでしか履修していませんでしたし、化学も学習したのは基礎まで。現役時代からの苦手意識もありました。物理については苦手意識が強かっただけでなく、習得するにはかなりの時間が掛かると感じていましたので、選択しませんでした。

 

その結果、英語、生物、数学、化学の4科目で受験に挑むことになりますが、各科目の進捗にばらつきがありますから、苦手科目に重点を置いて授業を選択でき、ばらつきをうまくフォローできる予備校をピックアップして、問い合わせや見学に行きました。

「ストレスにならない環境を選ぶ」ことが予備校選び最大のポイント

私の実感ですが、再受験生はあまり医学部専門予備校に行っていないのではないでしょうか。医学部の特徴として、他学部よりも多浪生が多いということはよく挙げられますが、それは予備校でもそのまま言えることで、2年3年と浪人している方も多いと思います。言い方は厳しいようですが再受験生は浪人生よりも年齢も上で、時間にもお金にも猶予があるとはいえません。取り組み方も必死です。私自身「1年で絶対に合格する」と強く意識するようにしていましたし、周りの再受験生も同様だったと思います。

 

同じ医学部を目指しているとはいえ、今年駄目だったらもう1年…というような余裕があるように見えてしまう浪人生もけっこういます。そういう人たちが多い環境だと、自分の気持ちも堕落する危険性があります。そのため、多浪生が少ない予備校を選ぶことをお勧めします。後でも述べますが、周囲の環境というのは本当に大事ですから、周囲にどのような生徒がいるかというのは、指導方法やカリキュラムが自分に合っているかどうかということと同じくらい、予備校選びの大切な要素だと言えると思います。

 

本気で医学部受験に臨んでいる、しっかりとした意識の生徒が多い場所であれば、むしろ自分のモチベーションも上がりますから、しっかりと精査してほしいと思います。

快適な自習環境と自分のリズムで勉強するのが一番効率的

自習室の環境も大切です。私は極力自宅では勉強しないようにしていて、毎日のノルマは予備校の自習スペースで終わらせるようにしていました。自習スペースでは勉強、自宅では休息、と切り替えることができたのは良かったと思いますが、逆に騒音や私語が気になるとか、混雑していて席取りができないなどといった自習室の環境だと、相当苦労すると思います。なにぶん時間が限られているので、余計なことに気を取られるのは避けたいものです。席が決まっていたり、ロッカーがあって荷物が置けたりといった自習室もありますからそういったところを選ぶのが良いでしょうね。騒音や私語については事前に見学に行って雰囲気を見ておく、見回りなどの管理体制をチェックすることが大切だと思います。

 

私は朝があまり強くないので、予備校には朝8時半くらいに行き、予復習をしてから授業を受け、当日分の勉強をして21時頃帰宅する、というスタイルをとっていました。勉強時間自体はそこまで長い方ではないと思いますが、あまり朝早くから勉強を始めてもあまり集中できないばかりか、授業で眠くなってしまうんです(笑)。色々試しましたが、このスタイルで、でもとにかく毎日通う、休まないということを心がけました。

 

自分にあった方法で、いかに要領よく勉強するかにはぜひこだわるべきです。理想としては5月くらいまでには色々な勉強のスタイルを試して、自分に一番合うリズムを見つけられると良いですね。朝が強くて4時頃から勉強する方が集中できるという人も、3日間は朝から深夜まで長時間勉強、間1日はしっかり休むという人もいるでしょう。ほかの人がものすごく勉強しているとなると、ペースを乱され焦ってしまうということもあるとは思いますが、集中できる時間にも個人差があるのですから、とにかく自分はこれだという方法を決めてしまうのが良いと思います。

医学部専門予備校に通ってよかったこと

医学部受験で強く感じたのは、出題される問題の特殊さです。自分が得意だと思っていた英語でさえ、「文系の英語とは違う」とはっきりと感じました。

 

具体的に言うと、文法ひとつとってもものすごく細かいところを聞かれます。読解中心にフィーリングで問題を解いていた人にとっては苦労するポイントだと思いますね。出題方法についてもマーク式でたくさんの問題を制限時間内に解く、というところが多かったと思います。知識を駆使して、いかに素早く・正確に問題を処理するかに重点を置かれている大学が多いですね。生物も特徴的な出題が多かったと思います。ある大学では便覧や資料集の片隅に書いてあるような、非常にニッチな分野から出題されるのですが、「こんなこと書いてあったっけ?」と思って探すと、確かに載っていた、というようなことすらありました(笑)。

 

医学部専門予備校ではこういった大学ごとの傾向をしっかり把握し、過去問演習の時点で「この問題がこの大学の出題傾向が端的に表れている」「この大学の対策はこの大学にも通じる」といったことまで言及してくれましたから、それは志望校研究という意味で非常に効率的で助かりました。同時に、独学で医学部受験をすることの大変さも感じましたね。もし1人で勉強していたとしたら、1年で合格というのはとても無理だったでしょう。

各科目の攻略方法について

・英語
もともと得意だったということもあり、現役時代のカンを取り戻すこと、医学部受験に対応するために問題に慣れることを目標に演習を繰り返しました。その中で、自分にとって問題が解きやすい大学、解きづらい大学が見えてきましたから、志望校選びの参考になりました。

 

・生物
必要なのはとにかく知識量です。かなり細かいことまで聞かれることはわかっていますから、とにかく穴がないように便覧や資料は何度も読み返しました。

 

・数学
現役のときは数学ⅡBまでしか履修していなかったので、数学Ⅲは本当にゼロからでした。ただ数学の講師の先生には「数学Ⅲは練習量がものを言う、とにかくやり込めば成果は出る!」と 言っていただき、それを信じてやりきりました。具体的にはわからないところは質問に行き、演習用のプリントをもらったりして対策しました。数学は新課程になっており、複素数平面など現役時代にはなかった単元もありましたから、できるところ、できないところで時間のかけ方を変えながら、抜け漏れのないように勉強しました。

 

・化学
化学には一番苦労したと言ってもいいかもしれません。とにかく最初は、自分が一体何をやっているのかよくわかっていないままにとにかく覚えて、解いて…という状況でした。わからないままにやり続ける、というのは精神的にきつい部分もありましたが、全ての単元を一通り学習し終わると、化学の世界観のようなものが俯瞰的に捉えられるようになりました。12月ごろのことで、本当にギリギリのタイミングではあったのですが…。そこからは視界が開けたように、一つひとつの単元の理解も深めることができ、結果的にはかなり点数の取れる科目になりました。

再受験生向け 2次試験についてのアドバイス

医学部の2次試験は、医師としての適性を見られる場であるともに、その大学の意向が受験生にも見える場であると感じます。どのような学生を欲しているのか、どういった医師を育成したいのか…ですから、対策はあくまでも対策であり、最終的にはその大学と自分自身とのマッチングということになるのではないかと思います。はっきりいってしまえば、年齢や女性であるということが不利に働く場面もあるかと思います。しかし大切なのは、自分が医学部で学ぶことで、社会にどう貢献できるのかということをしっかりと認識し、その思いを伝えることだと思います。

 

例えば面接で、こちらが想定していないような質問をぶつけられることもあるでしょう。面接官はそこで、受験生の素の姿を見ようとしているのです。成績のこと、結婚のこと、年齢のこと、キャリアのことなど、あなた自身のパーソナルな部分が質問されたとしても、それも単に本音を知るためのテクニックなのです。そう考えると、面接に対する気構えも変わっているのではないでしょうか。揺らがず、はっきりと、自分の考えやスタンスを話せるよう準備をしておくこと。それだけで良いのだと思います。

 

幅広く知識を集めておくことももちろんですが、様々な状況に直面した時に「自分はどうありたいか」ということを十分に深めておくことを忘れないでください。面接では必ず、話したことについてさらに深い意見を求められます。普段から「自分はどうありたいか」ということを意識しておけば、たとえその場でいきなり問われたことについても、慌てず論理矛盾のない回答ができるのではないでしょうか。

 

これは、小論文についても同様のことが言えると思います。例えば具体的な知識や数字がわからなくても、自分の出した答え、その経緯をしっかりと説明できさえすればよいのだと感じます。

再受験の強みは自分の持っている武器を使えること

1年で合格することができた最大の理由は、やはり英語というアドバンテージがあったからだと思います。調子の浮き沈みがなく、いつも安定して得点できる得意科目の存在は気持ちの面でも、もちろん得点の面でもかなり心強い要素になります。私立医学部受験の場合は、苦手科目を完璧には克服することができなくても、得意科目で挽回できる可能性が残されています。1年という短い期間の中で合格を勝ち取れるかどうかというのは、自分が持っている力をしっかりと把握して、それをいかに、最大限利用するかに掛かっているといっても過言ではありません。私の場合は英語でしたが、他の科目の場合もあるでしょうし、社会人経験がある方の場合はそれが生かせる場面もあると思います。

 

とはいえ、得意科目だからといって油断せずに、医学部受験に適応できるように研究や演習をすることも大切です。医学部入試は独特な部分も多いので、よほど学力が高ければ独学でも良いとは思いますが、そうでないのであればしかるべき予備校で相談や指導を受けた方が効率的だと思います。
1年は本当に短いですが、短期決戦で決めるんだという意志は受験を決めた時から強く持っていました。

 

正規合格できた大学の他に一次合格できた大学があったので、もう1年勉強すれば次は…という思いも一瞬ありました。しかし、自分の意志で1年と決め、それで合格できた大学が、やはり自分にもマッチしている場所なのではと感じています。

 

医師への道はまだ始まったばかりですが、自分で決めて実現した道をしっかりと進んでいきたいと思っています。

 

 

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