伊藤 雅彦
勉強をしていく上で気を付けておきたいことは「図を描くこと」「グラフや図から状況を読み取れるようになること」そして「すぐに答えをだそうとせずに問題の条件を図や数式にするとどうなるか考えること」です。
図を描くことは何も力学や電磁気学だけではありません。波動や熱力学、原子物理でも図は多用します。図を描くことで問題の状況を頭のなかだけでなく視覚的に整理できるので、その分、脳の容量を問題を解くことに集中して使うことができますし、ケアレスミスも少なくなります。また、図から「どの変数がわかれば問題が解けるか、置いた変数の数に対応する式が立てられるか」というように解法の方針が浮かび上がることも多いです。
グラフが与えられる問題の多くはパターンがそのまま使えるものが多いので、事前にそのグラフ特有の考え方などを学んでおけば高得点のチャンスになります。グラフの読み取り方などは何となく理解できた、で済まさずに完璧を目指してください。
「すぐ答えをだそうとせずに~」についてはよく(特に高校1,2年生の物理が苦手な子などに)言っていることです。物理が苦手な人は例えば「速さを求めよ」という問いに対してすぐに速さの公式を書いてしまうのです。そしてその公式の中に未知数があるために結局は求まらない、となってしまいがちです。
公式さえ書いてしまえばすぐに答えがでてくる問題も中にはありますが、多くは「問題の条件を図や式で表した結果、求めたいものが出てくる」という流れで求まります。公式を使って終わりではなく、この条件は図ではどうなるか、式はどう立つのか、しっかり考えていく必要があるのです。ここで大切なことは通常の医学部で完全に初見というタイプの問題はあまり出ない、ということです。事前にしっかり標準レベルの問題集を終わらせておけば、図の書き方や式の立て方は自ずとわかるようになっていますし、医学部特有の特殊な問題は過去問を解いた上で基礎学力がついているなら立式できるはずです。
よくある相談のなかに「物理は1問解くのに時間がかかりすぎる」というものがありますが、これはもう必要な時間だと思ってしっかり考えて解いてください。物理は時間がかかります。その分、1問1問の内容は濃く、重要なパターン問題の考え方はほぼそのまま入試に出ることも多いのであせらず着実にできることを増やしていきましょう。
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