東京慈恵会医科大学医学部」カテゴリーアーカイブ

医学部女子専門予備校の必要性②

2016年3月17日

≪新御三家は女子に不利?≫

新御三家(慶應、順天、慈恵)の入試は女子に不利だといわれています。
数年前、慶應と慈恵の入試担当者にそのことを尋ねました。
慶應の担当者は、「成績順だけで合否を出している」、慈恵の入試担当者は、「女子は男子より数学と理科が苦手だから」と、答えてくださいました。

本当に女子は男子より理数科目が苦手なのでしょうか?

NEWSポストセブンに 『有名進学塾のトップ層小学生 「小5の算数」で男女差が出る!』 という記事を見つけました。
ここに出てくる塾は私もよく知っていますが、本当に上位のクラスには女子が少ないです。
男子に比べ、女子は成長が早く、精神的にしっかりしていて目標を持って学習している子が多いにもかかわらずです。
それはなぜなのでしょうか?
私も、算数の出来によってクラスが上下し、他の科目のできぐあいではあまり動かない生徒を見て、このS塾のクラス分けは算数で差がつくのではないかと感じていました。

S塾の2015年4月の首都圏中学の合格率80%の偏差値は次の通りです。
男子校 筑波大付属駒場中学校70
男子校 開成中学校66
男子校 聖光学院中学校63
共学 渋谷教育学園幕張中学校2次63
女子(共学)慶応義塾中等部63(男子56)
女子校 桜蔭中学校62
共学 渋谷教育学園幕張中学校1次62

S塾の保護者会では、「自分の偏差値より5以上高い中学を目標にすると、子どものモチベーションが上がる」と、話された先生がいらしたそうです。
女子の入れる学校は63が最高なので男子よりムリをしなくてすむ、という考えがどこかで働いてしまうのかもしれません。
前述のNEWSポストセブンの記事では、「自分は算数が苦手」という思い込みが一番やっかいだと言っています。

教務スタッフ

私立医学部新御三家(慶應、慈恵、順天)②

2016年3月3日

東京慈恵会医科大学は、西新橋のビジネス街の一角にあり、歴史を感じさせる建物の大学本館と首都高からも眺めることのできる超高層の大学1号館、そして、病院施設がいくつも並んでいます。
このように慈恵は、都心の学校というイメージが強いのですが、実は1年次の校舎は、京王線の国領にあります。
そして、部活動の大半は国領で活動するため、上の学年になってもしばらくは国領まで通っているようです。

慈恵受験者のほとんどは国立と併願しています。
その中でも、東京大学、東京医科歯科大学医学部、横浜市立大学医学部、千葉大学医学部と掛け持つ生徒が多いようです。
東京大学の併願者の中には必ずしも、医者になりたい受験生ばかりではありません。
医者と東大理Ⅰ、理Ⅱで揉める親子も少なくありません。
生物、物理、化学が好きでも好きな分野の研究者になれる人はほんの僅か、客員研究員などとして海外の大学へ行くオーバードクター(大学院博士課程修了者)がたくさんいますが、安定した職業ではありません。そんなこともあり、東大卒業生の再受験者も含め、いま医学部受験者は大混戦になっています。

そして、この東大と私立医学部の併願者は、近年慈恵ばかりでなく、順天、慶應、日医、昭和でもみられます。
慈恵の3年前の物理の大問の1つは、その前年の東大の類似問題でした。
この問題は出題頻度がまれであったため、多くの物理選択の受験者が泣きましたが、東大を目指して準備をしていた受験者はにっこりでした。

その時、残念な結果になった受験者の成績開示をみせてもらいましたが、1次試験の合格最低点に30点足りず、順位はBランク。
つまり、1次通過まであと30点の間に251人から550人いたことになります。
この受験生の慈恵医大合格はボーダーライン上と予測していました。
しかし、最初の理科で大問ひとつを落とすという大穴を開け、数学、英語にも響いてしまいましたが、もともと実力が高かったので他の難関大学医学部に合格しています。
医学部への道は僅差で決まり、大問ひとつミスすると大きな致命的となりうる大激戦です。

今年の慈恵の繰り上がりは動いた情報がありません。
数年前、補欠1番と5番が関わりのある受験生でしたが、3月1日の卒業式の日までに繰上合格の通知はきていないとのことでしたので、今年も例年通りの時期となるのでしょうか。
今年は、他の大学でも繰上合格の動きがまだ少ないようです。
フォレスト生でも待っている学生がいます。
国公立の発表があってから一気に動き出すのではないかと期待しています。

教務スタッフ