医学部女子専門予備校の必要性⑤

2016年3月20日

≪秀才は3ヶ月で東大に合格する≫

『筑駒生は3カ月の受験勉強で東大に行く・・・・』 という記事が東洋経済オンラインに掲載されていました。
これは嘘です。はっきり申し上げます。

筑駒というのは、筑波大学附属駒場中・高等学校のことで、現、日銀総裁、黒田氏の母校です。
開成、灘は東大進学校として有名ですが、筑駒生は、灘にも合格している生徒がいます。
そして、筑駒生の80人前後は開成中学に合格し、入学を辞退しています。
筑駒は東大合格者数ではトップになれません。
なぜなら、高校の卒業者は160人くらいだからです。
しかし、現役東大合格者は卒業生の半分を超え、東京医科歯科大学医学部、慶應などの最難関医学部への現役進学者が10人くらいいる高校です。
さらに驚くことに慶應医学部に合格しても現役生だけで毎年5人以上が辞退しています。

さて、くだんの記事のことが嘘だというのは、彼らの少なくとも半分以上は、中学合格とともに6年間で東大を目指す塾に通い始めるからです。
さらに、中学、高校の、特に数学の授業は、東大を受験するのに十分なほどのむずかしい問題を扱っています。
文科省検定の教科書を使うことはありません。
そして、彼らが通う塾は高校2年の2学期には大学受験の範囲の学習をすべて終わり、完成期に入ります。

だから、高校3年の秋に文化祭に夢中になっても、その後の3ヶ月の追い上げで合格できるのです。
やることやらずに栄光は得られません。
地方の出身者が開成高校のテキストを見て、東大にたくさん合格するのは当たり前だと思ったと言っています。
弟が筑駒に通う都立高の生徒が東大に落ちた時、6年かけて積み上げている筑駒生たちに1年の浪人でかなうわけがないと東大受験をあきらめました。
高校受験から筑駒に入った生徒は、中学からの内部進学者の数学のレベルの高さに驚き、中学まで数学が得意であったのも関わらず大学は文系を目指す生徒が多くいます。
つまりは、筑駒生は、東大レベルの問題を解くのは特別なことではなくあたりまえ。
日頃の学習も受験と意識しておらずあたりまえとして勉強しているので、学校側も特別な受験指導をしているという認識はないのです。

それでは、医学部を狙う女子生徒が、彼らの多くが通う塾で一緒に机を並べれば、医学部入学できるのでしょうか?

高校の成績が、8割取れていれば可能性は高いです。
それは、塾での学習がちゃんと身になっていることを表すからです。
しかし、東大合格圏内に入る一部の女子以外は、高校2年までに挫折します。
それでも必死についていったとして問題が生じます。
東大以外を受験する生徒の保護者様は、夏休み前の保護者の個人面談で、「志望校のレベルには達しているので、もう塾の復習をしなくても良いです。」
と言われたそうです。
これは、一人だけの話ではありません。
私の知る東京医科歯科大学医学部の受験者も筑波大学医学部を志望する受験者も全く同じことを言われました。
それで、ある親子は困ってフォレストにご相談にいらっしゃいました。

東大に多く合格する塾に通っているからといって安心してはいけません。
しっかり点数を取れなければ無駄な時間と無駄なお金になるだけです。
途中で塾をやめるのは挫折感を味わうことになります。
しかし、医学部を目指す強い意志を持ち続けている受験生の場合、挫折とは考える必要はありません。
自分に合った問題の大学に目標を定め、しっかり学習することが医学部へ近づく方法です。

途中で塾を変え、夢をかなえた医学部生をたくさん知っています。
無理をしてしがみついて、医学部に合格するまで多くの時間を費やしてしまった生徒もたくさん知っています。

特に、研ぎ澄まされたセンスが必要な数学の難問を克服するのはむずかしいです。
だから、最難関の新御三家は多浪生も受かりにくいのです。

教務スタッフ