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フォレストクイズ⑮

2024年12月7日

第15回目のフォレストクイズです。記事の更新日である12月7日は、2019年に熊本の慈恵病院が匿名妊婦を受け入れる「内密出産制度」を事実上導入したと発表した日です。慈恵病院といえば親が育てられない乳幼児を受け入れる「赤ちゃんポスト」を運営している病院として知られていましたが、望まない妊娠をした女性への更なる支援として内密出産の制度を導入、実際に2021年12月から制度が始まりました。制度開始からおよそ3年で38人の赤ちゃんが生まれています。もしこの制度がセーフティネットとして存在していなかったとしたら、少なくともこの赤ちゃんとそのお母さんは……?そんなことをつい考えてしまいます。

さて、今年・2024年はアメリカ大統領選挙が行われた年でしたが、アメリカ大統領選挙でも女性の望まない妊娠にまつわる争点があります。今日はそんな問題。

Q.一般にリベラル・民主党支持者が賛同する傾向にある、人工妊娠中絶の権利を擁護する立場のことを、胎児の命を重視する「プロ・ライフ」に対して何という?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.プロ・チョイス

アメリカにおける人工妊娠中絶に関する問題は、個人の自由という権利やキリスト教的価値観、保守・リベラルなどの政治的価値観や人種、経済格差などが絡む複雑なものになっています。先日の大統領選ではトランプ氏の共和党が勝利しましたが、一般に共和党支持者が賛同する傾向にある「プロ・ライフ」は基本的に人工妊娠中絶を認めない立場です。一方、民主党支持者が賛同する傾向にある「プロ・チョイス」は人工妊娠中絶を女性の権利として擁護する立場です。2022年にはアメリカ連邦最高裁が「人工妊娠中絶は憲法で認められた権利だ」とする過去の判決を覆しましたが、これはトランプ氏が以前の大統領時代に判事に任命した人物の多くが「プロ・ライフ」の立場を取っていたためともされています。先の判決以降のアメリカでは半数近い20を超える州が人工妊娠中絶を規制するようになりました。性と生殖に関して保障されるべき健康、および権利のことを「リプロダクティブヘルス&ライツ」と言いますが、こちらを擁護する立場の人びと(≒「プロ・チョイス」派)は今後のトランプ政権下で「プロ・ライフ」派が存在感を強めていくことを危惧しています。

12月ともなると、フォレスト生の皆さんにとっても「本番」が意識され、一日一日の感じ方がまた変わってきているのではないでしょうか。そんな時でも大事なのは「慌てずに淡々といつも通りに過ごすこと」なのかなと思います。「目標に向かって、やるべき事は何かを考えて、それに向かい進んでいく」というのは、ある意味ではこれまで行ってきたことと同じです。慌ててしまう時間すらもったいない!と考えれば、とにかく一歩一歩をこれまで通りに踏みしめていくだけ。難しい意識ではありますが、不動心でやっていきましょう。頑張れフォレスト生!

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は12/9更新の予定です。)

 

出典

日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53096790X01C19A2000000/?msockid=3481fe5aaa536e9133e9edb6ab2b6f60

NHK

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20241128/5000023936.html

https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/us-election/presidential-election/2024/policy/article_10.html

ハフポスト https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6715fad2e4b0ae8214802ea4