社会に求められている女性医師

社会に求められている女性医師

女性医師の数が年々増加に

今や、医師国家試験合格者の女子占有率は30%を超えており、さらに男女別で合格率をみると、毎年女性のほうが高いのです。これは、人数でいえば男性のほうが過半数を超えていますが、確率でいえば女性のほうが合格しやすいということを物語っています。それに伴って、医師全体のなかにおける女性医師の割合も年々増加傾向にあり、平成24年時点で19.7%となっています。診療科別では、皮膚科や眼科、麻酔科、小児科、産婦人科などの診療科では女性医師の占める割合が高く、産婦人科では、20代の医師に占める女性の割合は68.6%、小児科では49.0%にのぼります。

 

医師国家試験合格者の男女比

多様なニーズがある女性医師

女性医師の増加に伴い、女性医師へのニーズ自体も今後ますます増えていくことが予想されます。例えば、女性特有の疾患については女性医師に相談したい、という女性患者のニーズ。急変しやすい子どもの疾患について育児経験のある女性医師に診療して欲しい、というお母さんたちのニーズ。その他にも、女性医師だからこそできる、または求められているということは多いのではないでしょうか。常に患者さん目線で考え、患者さん一人ひとりの心の声に優しく耳を傾け、悩みや痛みを共感できる女性医師は、さまざまな医療の現場で活躍しています。

東京女子医科大学の取り組み

世界で唯一の女子医科大学である東京女子医科大学では、女性医師が結婚後も仕事が続けられるように、労働環境の整備に尽力しています。例えば、2009年に医療従事者が男女を問わず、医療を通して社会貢献を実現する環境づくりをめざして、「男女共同参画推進局」を設立しました。その下部組織である「女性医師・研究者支援センター」では、附属病院のなかに保育所を設けて保育支援をしたり、フレックス制や短縮時間勤務制を導入しています。また、「女性医師再教育センター」では、臨床現場を離れた女性医師の再就職支援をサポートするために、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの再教育プログラムを提供しています。

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