合格者には共通する普遍的な属性があります。一つひとつは当たり前のことですが、いざ自分はどうかと考えてみると、意外とできていなかったりするものです。成功するためには、成功者から学ぶのが一番です。
今回は「心構え編」。ちょっとした気分の切り替えから、勉強に臨む前にしておく準備まで、参考になることも多いかと思います。メディカルフォレストから医学部に進学した先輩合格者のコメントも交えてご紹介していきます。
受験生のなかには、「合格者をたくさん輩出している予備校に通っていれば大丈夫、レベルの高いクラスの授業に出ていれば合格させてもらえる」と考えている人がいます。しかし、それはあまりに安易な考えです。合格を勝ち取るのは自分自身だからです。授業は「理解する場」であり、自習こそ「その理解を実力に変える場」なのです。まずはこの認識がないと、合格を勝ち取ることは難しいでしょう。とくに何年も勉強していると、自信や決意が揺らいできます。そしてできないことを周りのせいにして、自分を守りたくなります。しかし、それではいつになっても結果はついてきません。本気になった年に合格する、そのことだけは忘れないようにしましょう。
先輩合格者より
「親や先生の言う通りに勉強していてもダメな時もあります。勉強の前に自分の将来を真剣に考える時間は持つべきです。」
勉強は本来他人から強制されてやるものではありません。自分が自分自身を合格まで導くんだ、という意識をもって主体的に勉強することが重要ですね。
今、勉強する空間には何がありますか?家で勉強すると、テレビやスマホ、音楽などの誘惑に負けて集中できない人も多いので、できるだけ自習室や図書館を利用しましょう。また、そういった場所では、周りで同じ目的をもった仲間が頑張っているということも刺激になるはずです。深夜の勉強は自分の部屋でやる以外方法はないので、強い意志を持って、集中を切らさないことが大切です。誰からも監視されない密室空間では、どうしても自分に甘くなってしまいがちです。勉強に不要なものはできるだけ目につかないよう、思い切って片付けてしまうのも良いですね。
先輩合格者より
「人は環境によって変わります。勇気をもって趣味や遊びの時間を受かるまでは絶ちましょう。」
合格者は、強制的に自分を勉強する空間に置くことを心がける傾向にあり、目標のために自分を律することができるのです。逆説的ですが、そうすることで自発的に勉強する習慣が身に付くんでしょうね。
合格を勝ち取った人たちほど、あまり細かなところにはこだわらない傾向にあります。あまりこだわりすぎると、1科目、とくに数学に集中しすぎて各科目の勉強バランスを見失ったり、勉強の量と難しさに耐え切れず、勉強意欲を無くしてしまいます。そうなるとやがて勉強そのものが停滞するという最悪の事態が生じてしまいます。もちろん、理解の本質という観点から深く掘り下げて勉強することも重要ですが、限られた勉強時間の中ではここまでは要求されない、出題される可能性が少ないというラインで割り切ることも必要です。優先順位をつけて、ときには「捨てる勇気」をもちましょう。
先輩合格者より
「多くの大学の合格ラインはおよそ70%。私は全範囲80%理解を目指してとにかく総合点で勝負できるようにしました。」
試験ではそもそも満点を取る必要はないのだし、合格者だって解けない問題は必ずあるのですから、あまり細かいことを気にせず、できるところからどんどん勉強を進めてみてはいかがでしょうか。
イメージトレーニングは心理面では欠かせないものです。受験期というのは、ただでさえ「自分は間に合うか、受かるのか」といった不安がつきまとう時期です。ですから、合格して大学生活を楽しんでいる自分を想像して、気分を高めていくことが大切です。受かる前に合格体験記を書いたり、大学から講義シラバスを取り寄せて興味のある講義をピックアップして将来の時間割を決めたり、合格通知を自分で自分に出してみたり、そういった行動は一見滑稽と思うかもしれませんが、良い意味での勘違いを生み、やる気をもたらします。この他に、好きな音楽を聴いたり、スポーツをしたり、好きなことをやってテンションを上げることもとても重要です。とにかく、プラス思考でいかないと、気分が下がって勉強する気持ちも消えて泥沼状態に陥ってしまうので注意してくださいね。
先輩合格者より
「私は、なかなか気分が勉強に向かない時には、志望大学のキャンパスに行ってみたりしました。来年はここに通うんだ、という気持ちになれますよ。」
立ち止まるから不安が襲ってくるのです。不安になったら、とにかく前に一歩踏み出しましょう。不安が和らぎ、気持ちが落ち着いてくれば、必ず集中力が増して勉強の効果がアップします。「大丈夫、大丈夫!」と自分に言い聞かせながら、平常心で乗り切りましょう。
あえて口には出さなくても、「なにがなんでも絶対に入りたい、入ってやる!」といった攻めの気持ちを持っていた、という合格者は非常に多いようです。やはり受験生活は苛酷ですので、ワクワクするような夢なくして、長時間の受験勉強を乗り切ることは難しいです。と同時に、目的と手段を冷静に考えることも必要です。医師になることを優先するなら、偏差値の高い憧れの大学より、現実的に1年で行ける大学を選ぶことも必要でしょう。がむしゃらに勉強する時期は長い人生の中で今の時期しかありません。今が辛くても、受験が過ぎればよい思い出になるものです。そしてたくさん苦しめばその分、合格の喜びも大きくなりますよ。
先輩合格者より
「私は、自室のドアに「絶対合格」と書いた紙を貼りました(笑)。それを見るだけでも、なんとなく受かる気分になりました。」
とにかく、前向きなプラスの言葉をたくさん口にするようにしましょう。そして、合格した後のイメージを具体的に描ければ、モチベーションもアップすること間違いないしです。
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