医学部受験には、一般の大学受験と異なる点がたくさんあります。特に、志望校選びについては相談の多いポイントです。いつ、どのくらいのレベルの学校を、何校くらい選べば良いのか?また、そもそもどうやって選べば良いのか?ということについてご説明します。
一般に、高校生は受験校を3~5校に限定するケースが多いです。医学部受験は学校ごとに入試問題にかなり特徴があるので、過去問対策をやる時間を考えると、現実的には3校がベストでしょう。それ以上になっても対策をする時間が足りませんし、試験日程を組むのも大変です。たくさん受ければ合格率が高くなるとは限らないのが、昨今の医学部受験というものです。
対して、高卒生は後がないので、受験校を5~10校にすることが多いです。超激戦の私立医学部受験を突破するためには、ある程度まで汎用的な力をつけ、受験校を増やさないと受かりにくいのも事実です。また、合格には運も必要です。4科目全てしっかりと得点できて初めて合格することができるわけで、1科目でもたまたま苦手な分野が出題されてしまい大きな失点をすると、それが足を引っ張ってしまい、全体で合格ラインには到達できなかった、ということもあります。
受験校のレベルは偏差値でいうと、自分のレベルよりプラス5~10くらい上の大学を選びましょう。プラス5であれば、十分手の届く範囲です。対して、プラス10はかなり気合いを入れて無理をしないといけません。相当意識レベルの高い受験者が集まりますので、彼らと対等に戦うには過去問分析が絶対に欠かせません。志望校の出題傾向を事前に知り、過去問を解きながら時間配分を体感します。
まれに、ブランドイメージから現実を見ずに相当レベルの高い大学を受験する人もいます。しかし、臨床医になるなら、大学のブランドにこだわるより、いち早く医療現場に出るべきです。入学する前から自分の狭い世界で、ここしかない!と思い込みすぎて、その呪縛から解き放たれず何年も浪人して苦しむのは得策ではありません。激化する医学部受験を最短で乗り切るには、自分の身の丈にあった大学を選定することを強くお勧めします。そういう意味で、自分を知ることはとても重要なのです。
第1~3志望の過去問については、最低でも5年分はやりましょう。とくに数学は大学によって出題傾向がかなり異なるので、要チェックです。また、新課程となったいま、数学の過去問を演習するときは、旧課程よりも前の問題をやるようにしましょう。生物は新しい用語や事実が盛り込まれていますので、予想問題集のほうがいいかもしれません。
試験日程が3日以上連続となると、かなり心身ともに疲労困憊しますので、せいぜい2 日連続に留めておくほうが望ましいです。とくに試験会場の近くのホテルに宿泊する場合は、想像以上に疲れます。
慣れない土地で知らない人ばかりの受験会場で、たった1回の試験でこれまでの受験生活がすべて問われるわけですから、そのプレッシャーたるや相当なものになるでしょう。余裕をもったスケジュールにすることをお勧めします。
スケジュールの組み方については
も参考にしてみてくださいね。
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