『医学部受験の合格者になるための10のポイント』                 

医学部の合格者には共通の資質がある

合格者には共通の資質があるのをご存知でしょうか。20年以上受験生を見続けてきて、わかってきたことがあります。ぜひご一読ください。

 

①試験の特性を知る  

試験とは、あくまでも相手の要求にこたえるもので、それができれば合格するわけです。まず自分の受験する大学の過去問を先に解いてください。そのうえで、合格最低点(多くの場合70%程度)との差がどれくらいあるかを知ってください。そのうえで、その差を埋めるための方法を科目ごとに具体的に考えましょう。

 

②完璧主義を捨てる

常に重箱の隅をつつくようなこだわりは禁物です。なぜなら、1科目に集中しすぎて各科目の勉強バランスを見失ったり、勉強の量と難しさに耐え切れず、勉強意欲を無くしてしまうからです。確かに、細かく掘り下げて勉強することも大事ですが、限られた勉強時間の中ではここまでは要求されない、出題される可能性が少ないというラインで割り切ることも必要なのです。多くの大学の合格ラインはおよそ70%なので、何事も80%理解を目指すことが大切です。「正確な細かさ+大胆な割り切り」のバランスを意識して勉強してください。

 

③何度も繰り返す

1回じっくりやるよりも、10回ざっと見渡すほうが力がつきます。最初分からなくても、全体を何回か読みまわすことで、後で分かってくることが多いので、最初の段階で全部分からなくても気にせず、どんどん先へ進んでください。暗記すべき知識は手や目、耳など身体を通して、徹底して繰り返すことで自然と頭に入ってくるもののです。また、欲張ってあれこれ参考書や問題集を買い込んで手をつけるより、これと決めたものがあったら、それと心中するつもりで信じ切って本がボロボロになるまで繰り返し勉強することが重要です。

 

④事務処理能力をつける

試験とは一定の時間の中で一定の形式に従って解いていかなければなりません。つまり、正確に解くことができても、時間内にその実力を出し切れなかったら合格できないのです。そのためには、多くの問題をこなして慣れる、そしてスピードをあげていくことが大切です。そうすれば集中力が向上していきます。特に後期からは速く解くという意識を常にもって取り組んでください。

 

⑤自分で力をつける

「予備校に来て入れば、授業に出ていれば、合格するだろう」と考えている人がいます。しかし、それはあまりに安易な考えです。合格を勝ち取るのは自分自身だからです。授業は “理解する場” であり、自習こそ “その理解を実力に変える場” という意識をもって主体的に勉強することが重要です。自習を制する者が受験を制するといっても過言ではありません。

 

⑥環境を整える

家で勉強すると、テレビや携帯、音楽などの誘惑に負けて集中できない人も多いので、できるだけ自習室を利用しましょう。まわりで同じ目的をもった仲間が頑張っているというだけでも刺激になるはずです。ただ、深夜の勉強は家でやる以外方法はないので、睡魔と闘いながら強い意志で突っ走ることが重要です。基本、勉強は一人でやるものです。人は環境によって変わるので、いつまでも遊び仲間と一緒にいてしゃべったりする人は要注意です。強制的に自分を勉強する空間に押し込むことがポイントです。

 

⑦必ず合格できると思い込む

イメージトレーニングは心理面では欠かせないものです。ただでさえ「自分は間に合うか、受かるのか」といった不安材料がつきまとうので、合格して大学生活を楽しんでいる自分を想像して、気分を高めていくこと。あるいは、実際に大学に行って雰囲気を肌で感じてみるのもいいでしょう。たまには好きな音楽を聴いたり、スポーツをしたり、好きなことをやってテンションを上げることがとても重要です。とにかく、プラス思考でいかないと気分が下がって勉強する気持ちも消えて泥沼状態に陥ってしまうので注意しましょう。小さな達成感や成功体験を積み重ねていけば、気持ちが充実し、やる気がアップします。

 

⑧目標への強い情熱をもつ

なにがなんでも絶対に入りたい、入ってやる、といった攻めの気持ちを持つことが大切です。大きな夢や野望なくして、受験勉強の成功はあり得ません。成功者には理想への根拠なき自信が備わっています。周りから何を言われようとも、理想を現実に変えていく、そのパワーをしっかりもってください。そして、何かを得ようと思ったら、今もっている何か(趣味の時間や遊びの時間など)を犠牲にして捨てる必要があることも自覚しましょう。思い切って退路を断つことが成功の秘訣です。

 

⑨計画を立てたらあとは淡々と実行する

一週間の計画を立てるときは、中身を80%くらい決め、あとは走りながら決めるといいでしょう。そして、科目ごとの勉強時間バランスを考えて毎日全科目に触れ、配点の高い科目、苦手科目から順に優先的に時間を割り振るようにしてください。英単語やイディオム、理科、社会などの単純な知識問題は、毎日すき間の時間を使ってコツコツと続けましょう。

 

⑩他人がしない努力をひたすら積み重ねる

合格者は受験者全体のごく少数派です。ということは、周りと同じことをしていては受かりません。成功者は成功するまでやり続けるから成功するのです。とにかく悩んでいるヒマがあったら、単語の一つでも覚えた方がいいです。悩んだり不安になるヒマがないくらい継続してトレーニングを積みましょう。答えや結果はあとからついてくるもです。マラソンと同じで、自分だけ授業を休んで立ち止まったら、まわりはドンドン先へ進んでいくことを忘れないでほしいです。ただし、これは来年の1月までのレースであって、その後は解放され自由で楽しいキャンパスライフが待っていることも忘れずに。

 

最後に

先生や環境への不満を言い出したら、不合格への道を進んでいると思ってください。まず自分が受かって、先生と同じ立場になってから好きなことを言えばいいのです。とにかく受かるまでは犬にでも頭を下げるつもりで謙虚な姿勢を貫き、マイナスなことは言わないようにしましょう。不合格者は、できないことの原因をまわりに転嫁し、自己を正当化しようとします。予備校を変えても、参考書を変えても、自分自身が自分の甘さに気づき、本気にならないと結果は出ません。チャンスは1回のみです。2回も3回もあると思うと、受験があたかも毎年恒例の行事のようになってしまい気が緩み、失敗します。受験は年内までの我慢大会です。期限があるからがんばれるのです。そして、全部を出し切ったら、どんな結果でもそれを自分の精一杯の実力として受け入れられるようになります。1年多く勉強したからといって、2倍成績が伸びるものではありません。実現可能な目標設定をし、1年本気でやれば、結果は必ずつくはずです。あとはそれを信じて前に進んでいきましょう。大丈夫です、努力は運を支配しますから。

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