社会人としての医学部受験は、学生時代の受験とは異なる独自のチャレンジが待ち受けています。
まず、自分の現在のキャリアや生活リズムとのバランスをとることが必要です。
さらに受験勉強のための時間を確保し、効率的に学習を進める能力が求められます。
また、社会人経験をアピールポイントとして生かす戦略も重要でしょう。
この道を選んだ理由やモチベーションを常に明確にし、目標に向かって地道に努力する姿勢が肝心です。
勤務と受験勉強の両立は簡単ではありませんが、適切な戦略で乗り越えられます。
時間の制約を受ける中で、毎日の短時間勉強でも成果を上げるためには、質の高い教材の選択と集中力を高める技術が必要です。
また、週末や休日をフル活用して集中的に学習する方法や、移動時間を活用することで、無駄な時間を減少させることができます。
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大学や大学院に入学する際、一般入試や推薦入試以外にも様々な入学の道が存在します。
中でも学士編入・社会人編入・社会人入試は社会人や大学卒業後の再受験を考える人々にとっての選択肢となるものです。
それぞれの特徴や違いを解説します。
学士編入(学士入学)
学士編入は、すでに4年制の大学を卒業し、学士の資格を取得した人が、他の大学や異なる学部の2年次または3年次に進むための制度です。
とくに医学部での実施が多いことが特徴で、文系・理系を問わず各大学の様々な学部で取り入れられています。
【受験の条件】
4年制以上の大学を卒業し、学士の学位を取得、または取得見込みであること。
大学院の修士課程や博士課程を修了、または修了見込みであること。
社会人編入(編入学)
社会人編入は、大学や短大、高等専門学校、専門学校を卒業したり、一定の単位を取得後に中退した人が、前回の学業成果を活かして大学の2年次や3年次に入学するための制度です。
学士の学位は必須ではありません。また、勤務経験の年数を要件として設定する大学が増えてきています。
【受験の条件】
社会人としての経験(例:正社員としての勤務、アルバイト経験、主婦や主夫としての経験など)が一定年数以上必要。
学士の学位保持者、大学での2年以上の在籍と62単位以上の取得者、短期大学や高等専門学校の卒業者、または専門学校(2年以上の授業時間が1,700時間以上)の卒業者。
社会人入試(社会人選抜)
社会人入試は、編入学を利用せず、社会人としての経験を活かして1年次から大学に入学するための方法です。
一般入試も受験可能ですが、社会人入試は受験科目や条件が異なるため、負担が軽減される場合があります。
【受験の条件】
社会人としての経験を有していること。
高等学校や中等教育学校の卒業者、または通常の12年の学校教育を修了、または修了見込み。もしくは、高等学校卒業と同等以上の学力が認められる者。
社会人の医学部受験では、現役生の受験とは異なった疑問が生まれるものです。
ここでは、社会人の医学部受験におけるよくある質問と答えをまとめて紹介します。
年齢制限はある?
医学部の入学や医師国家試験の受験資格に年齢制限はありません。
しかし、40代以上からの医学部進学は困難な点が多いことを念頭に置くべきです。
実際、医師国家試験合格者の最高齢の記録は熊本大学医学部を2002年に卒業した66歳の男性とされています。
よって年齢だけを理由に受験を諦める必要はありませんが、年齢を重ねるごとに学習のスピードや体力の面での挑戦が増えることは考慮するべきです。
勉強は働きながらでも大丈夫?
勉強は働きながらでも可能ですが、非常に大変であることは確かです。
医学部の受験科目は専門的かつ難易度が高く、一定の時間と集中力を必要とします。
そのため、働きながらの勉強は時間管理や自己のモチベーションの維持が鍵となります。
一部の受験生は、受験勉強の期間中は仕事を休職するなどして、専念するケースもあります。
個々の状況や環境に応じて、最適な勉強方法や生活リズムを見つけることが重要です。
文系でも医学部を目指せる?
もちろん、文系出身者でも医学部への入学は可能です。
医師として求められるスキルは文系や理系に限らず、患者とのコミュニケーション力や診断能力などになります。
また一部の大学、例えば帝京大学のように、英語を必須とし、その他2科目を選択して受験が可能な制度も存在しているため、得意科目で勝負することも可能です。
しかし、文系出身者は理系科目の基礎からの勉強となるため、その遅れを取り戻すために時間を多く割く必要があるでしょう。
社会人が入りやすい医学部はある?
入りやすい大学というわけではありませんが、以下の私立大学は社会人入試や学士編入など、幅広く募集をしている大学です。
受験資格等の要塞は、各大学のHPをご覧ください。
20代の頃、医者という職業に憧れを抱いていたがその時には思い切ることができず、30代半ばで人生最後のチャンスと思い医学部受験に挑戦すると決意した女性。
挑戦するからには受験勉強に集中したく、思い切って仕事を辞め受験勉強に専念。
大学受験から相当の年月が経っていたこと、学生の頃は文系だったのということで、塾での授業についていけるか、何年で合格できるかなど、さまざまな不安を抱えていたが、毎日教室で授業を受け、自習室でも勉強し、人一倍努力をしたおかげで、見事医学部医学科合格を勝ち取りました!
社会人の医学部受験は確かに容易な道ではありませんが、しっかり行動を起こすことで夢はかなうのです。