医師不足が叫ばれるなか、医師を目指す女性は増えており、今や医師国家試験合格者のおよそ3人に1人が女性です。しかし30代になると、結婚や出産をきっかけに離職する女性医師が多くなり、ハードな医師の仕事と家事や育児との両立の難しさを物語っています。その影響もあり、全世代で見ると、女性医師の数はおよそ5人に1人です。女性の特徴を生かしやすい産婦人科や小児科でさえ、女性医師は3人に1人に満たないというのが現状です。
私たちは、女性医師には、男性医師にはない、女性ならではの良さというものがあると考えています。たとえば、女性特有の疾患については、同じ女性に診てもらいたいという女性の患者さんも多いでしょう。また、急変しやすい子どもの疾患については、育児経験のある女性医師の方がお母さんたちも相談しやすいというお母さんの声も多く聞かれます。こうした社会のニーズに応えるには、女性医師が働きやすい環境を整備し、女性医師がもっと身近にいる社会を実現すべきではないでしょうか。
女子受験者の場合は男子とは違う特性があるため、女子の傾向に特化したカリキュラムと指導方法を構築し、勉強だけに専念できる快適な環境を作る必要があると感じています。とくに、女子校出身で何浪も重ねた男子と一緒に勉強しにくいと感じる人や、女子特有の感覚からどうしても理数系科目に苦手意識を取り払えない人にとって、従来の学習環境では不十分だと考えています。そうした女子受験生を一人でも多く大学に送り届けるために、私たちは、女子専門の医学部予備校を、女性の聖地・自由が丘に立ち上げました。
私たちの想いはそれだけでは終わりません。最終的なミッションは、教え子たちが医療現場の第一線で活躍することで、一人でも多くの患者さんが笑顔を取り戻し、幸せに、前向きに生きる勇気と希望を持てるようにすることです。私たちはそこまでも想像しながら、真剣に、日々努力し、邁進してまいります。
さらに、最近では文系大学の学生や主婦、社会人などの再受験生が増えてきており、受験生のバックグラウンドがじつに様々です。そのため、全くの初学者の方、しばらく受験勉強から離れていた方、独学で勉強を進めてきた方など、生徒一人ひとりの学習状況に合わせた指導をするには、1対1の「個別指導」や、生徒6名前後の「集団授業」という授業形式が最適といえます。しかも、社会人だと自分で予備校の学費を捻出しなければならない方も数多くおります。
このような趣旨から、現在では女子専門というフレームを払拭し、自由が丘校に加えて池袋校・麹町校・札幌校を男女共学かつ少人数定員制という体制で開校することになりました。一般に多額の学費がかかりやすい医学部受験ですが、講師の質を高く保ちながら可能な限り学費を抑え、高品質・低価格な受験指導を提供させていただくことをお約束申し上げます。
全ての根底にあるのは、日本語力です。全科目の土台となる日本語力をベースに、医学部に入学した後も必要な英語や生物、化学、そして論理的思考力を鍛えるために必要な物理や数学、さらに大学で論文を書く為に必要な小論文といった科目を、横断的に学ぶことが大切であると考えます。
とりわけ、現代の地域医療では、プライマリケアにおいて幅広く診断や治療のできる総合医、すなわちジェネラリストが求められています。そのような医師になるためにも、いまの段階から好き嫌いをなるべく払拭し、頭の中や心の持ちようをフラットにして、全ての科目をバランスよく学ぶ必要があります。
現実的に考えれば、試験を突破するための合理的な受験テクニックは生徒にとって必要ですし、そもそも、試験というものは、合格しなければ意味がありません。そのためには、敵である過去問を徹底的に研究することは不可欠です。しかし、そこに留まるのではなく、その先の、医師として、人として社会で生きていくうえで必要な「基礎学力」をともに考えながら学んでいくところにこそ、メディカルフォレストの教育理念があります。まさに、文系理系を問わず、物事を俯瞰し、断片的な知識を結びつけて新しいアイディアを生み出そうとする、アナロジー的な創造力がこれからの時代を生きていくうえで必要な資質になってくるはずです。
最近はどこの大学でも、医師国家試験の合格率を上げるため、2次試験より1次試験に比重を置くようになりました。もはや、コネとかお金とか、そういうものが通用する時代ではありません。情報化が進み、いろんな噂が巷やインターネット上で飛び交うのも事実ですが、そういうものに振り回されず、正々堂々と「基礎学力」を鍛え抜き、自力で念願の医学部合格を勝ち取ってほしいと考えています。
医学部受験生にとって、厳しい受験生活を乗り切るためには、基礎学力だけではなく、生活の基盤となっている心身のバランスを図ることが重要になってきます。「心技体」が揃ってはじめて合格を勝ち取ることができるのです。そこで、メディカルフォレストでは、予備校業界ではまだ導入されていないヨガトレーニングをどこよりも先駆けてカリキュラムに取り入れ、受験生のためのヨガレッスンをスタートさせました。毎月、定期的に心と身体のメンテナンスをすることで、体質が改善する、集中力が増す、心が安定するなど、多くのメリットを得ることができます。
現代人は呼吸が浅くなりがちといわれています。何かに集中するとき、緊張しているとき、つい呼吸が止まってしまっていたりします。ヨガではゆったりとした深い呼吸を意識することで、緊張状態が緩和され、集中力が高まり、穏やかな精神状態を作り出す効果が期待できます。ヨガを続けていくと、自分と向き合う時間が自然と増えていきます。昨日はできたヨガのポーズが今日はできない、同じポーズでも右と左では感覚が違うなど、いろいろな気づきがあります。気づいたらそれを否定するのではなく、どうしてそうなったのかを分析し、目的に向かう対策を練ることができるという点では、受験勉強と通ずるところがあるのではないでしょうか。
また、ボランティア体験も定期的に行っています。それは単なる試験対策のためではなく、「医の倫理」を身に付けてもらいたいからです。近年、ニュースでは胎児のダウン症などを調べる「新型出生前診断」が問題となっています。羊水検査で陽性が確定した人の9割が中絶という選択をしているそうです。日本ダウン症協会の水戸川真由美理事は「命を選択する手段になっていいのかという議論が進まない中、出生前診断の技術ばかりが進んでいる」と警鐘を鳴らしています。こうした現象に対して、私たちはまず、障がいをもって生きるとはどういうことか、その意味を現実と対峙し、それぞれ身をもって感じながら考える必要があります。
そこで、東京・神奈川にある障がい児支援施設を定期的に訪問し、子どもたちと触れ合う機会を設けることにしました。これは単なる受験指導ではなく、合格のその先にある、医師としてどう生きるか、という本質的なテーマをともに考えていくというメディカルフォレストの人間教育を実践するものです。
一般に、予備校では受験に合格するための学力を鍛えることに主眼が置かれています。もちろん、メディカルフォレストでも基礎学力を最も重視したカリキュラムを編成しています。ただ、合格するタイプの適性を統計学的に分析してみると、性格も大きな要素であることが分かります。そこで、「生徒の心得8ヶ条」を掲げ、普段の生活態度から根本的に見直すように指導しています。
公教育においては昔から実践されてきたことなのですが、予備校という私塾においても、このような躾は大切であると考えております。受験時代に養ったものは、その人生においても生きる糧となることが多いのです。今は面倒くさいと思っていても、後々になってやっててよかったと思うことがありますので、ぜひ受験生には10年、20年先を見据えたものの捉え方をしてほしいものです。