『お子様への接し方で悩まれている保護者さまへ』

子どもへの言葉のかけ方

受験期のピリピリした時期に、なんて言葉をかけてやればいいか、多くの保護者の方は四苦八苦されると思います。

 

そこで、一冊の本をご紹介します。『10代の子どもが育つ魔法の言葉』(ドロシー・ロー・ノルト、レイチャル・ハリス、雨海弘美訳 PHP文庫)という本です。10代のむずかしい年頃の子どもを上手に導くヒントが満載です。大人への過渡期にあり、難しい年頃の10代の子どもたち。浮き沈みの激しい変化の時期だからこそ、親がしっかりと子どもを見守ってやることが大切なのです。

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保護者の方へのお願い

保護者の方が受験生のお子さんに話かけるときに、注意してほしいことがあります。まず、お子さんにかけてはいけない言葉は次のようなものです。

 

①  親戚や友人と比較する。

「~さんは国立なのに」とか「~くんのところはみんな一流の大学に・・・」などの言葉です。本人のやる気をそぐばかりか、お子さんの頑張りを否定しかねない発言です。

 

②  悲観的な言葉を吐く。

「落ちたらどうするの?」「将来がダメになる」「後がない」・・・等です。お子さんが追い詰められて、萎縮し、学習意欲が失せてしまいます。

 

③  その大学やレベルをバカにする。

「そんな大学」「そこが受からないようじゃ・・・」等です。お子さんが自分の努力を親が認めてくれないことを面と向かって言っているようなものです。

心温かい4つの言葉

ここから逆に考えてみましょう。

 

① 「頑張ってるね!」「頑張っているあなたを見てるとうれしくなるわ。」

お子さんは頑張っています。「頑張れ」より、今の頑張りを認めてあげる言葉がお子さんに安心と勇気を与えてくれます。また、頑張りたくてもなかなか頑張りきれないお子さんには、ちょっとやる気を見せた時に言葉をかけてあげてください。やる気が継続する可能性が出てきます。

 

② 「全力を尽くせばいい。それ以上のことはだれにもできない。」

余計なことを考えずにがんばろう、という気持ちにさせてあげることです。これは、かの有名な歴史学者アーノルド=トインビー博士が父親に言われた言葉だそうです。この言葉のおかげで気が楽になり、試験に臨めたそうです。

 

③ 「冬は必ず春となる。」

どんな冬も永遠に続くわけではありません。今の苦労がずっと続くわけではないのです。差し迫った時期なら、「あともう少しの辛抱、冬だって春になるのだから。」そう言ってあげてください。

 

「今までよく頑張ったね。精一杯やっておいで!」

受験に出向くときにかけてあげられるといいですね。保護者の方も緊張しているかと思いますが、ちょっと我慢してあげてください。

 

一番大変なのはお子さんです。保護者の方にとってみれば、見ているだけで胸がつまるような時期かもしれません。思わぬ一言を言ってしまうかもしれません。しかし、ぐっと言葉を飲み込んで上記のような言葉をかけてあげてください。お父さん、お母さんの言葉は勇気も落胆も何倍にもしますから。

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