宮内 正
医学部受験における数学は、「定型問題の解法」がしっかり定着しているかどうかが鍵になってきます。問題を解くにあたって、なぜこの公式を使うのか、なぜこんな考え方をするのか、なぜこんな計算方法を用いるのかというのをしっかり納得して理解して覚えるということを繰り返していくことが重要ということですね。
女子が医学部受験をするにあたっては、体力とメンタル面の強さが第1の条件でしょう。また、空間把握など女子の受験生が苦手としている単元に重点を置いた学習で、男女での学力格差を縮めていくことも重要だと考えています。女子の苦手を克服し、さらに男子にはない、女子の特性をいかせるような勉強のメソッドを確立していければと思っています。
数学の学習の進め方は、苦手度によって注意点が異なります。まず、数学が苦手という人は典型的な問題を理解することに集中し、とにかく単元、分野ごとに全然できない、という箇所をなくしていきましょう。数学の柱である関数から、などプランニングして進めていくのがよいですね。一方、数学がある程度得意な人は、解き方の癖がある子が多いので、柔軟性をもって、解けた問題でもしっかり解説を聞くようにしてみてください。他人の話に耳を傾けるとまた見えてくるものがあるはずです。そうすることで幾つかの単元にまたがる組み合わせ問題にも対応できるようになると思います。
近年の私立医学部入試は高倍率の試験が続いているようですから、標準的な入試問題をしっかりと解ける学力が必要なことはもちろんのこと、処理能力・スピードが必要です。速さと正確さの両立を普段から意識するのが良いと思います。数学は一朝一夕に点数を伸ばしたり、安定させたりが難しい科目ですが、個々人の理解や進捗、得意や苦手に応じて課題をこなしていくことで対応していくことは可能です。ぜひしっかり相談しながら取り組んでいきましょう。
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