東京医科大学医学部一般入試に合格したKKさんに、医学部受験を振り返ってもらいました。ぜひ、受験勉強の参考にしてみてください。
私は現役時代、大手予備校の河合塾に通っていました。高3の4月から通い始めましたが、学年順位もビリの方で、基礎が理解できていないのにも関わらず周りの友達が解いている問題集を何となく一緒に解いていた感じでした。今思えばあれは勉強とは言えないと思います。結局1校の1次試験も通過できずに2月の中旬には浪人が確定してしまいました。
浪人が決まった時、両親と「1年で終わらせる」と約束すると同時に「去年の反省を生かし、基礎からじっくり固めていきたい、自分1人では甘えてしまう。」と考え、少人数制の医専の予備校を選択することにしました。都内の医専の予備校を3、4校見学して2校目にメディカルフォレストに来た時に進路アドバイザーの望月さんの話を聞いて、「ここだ!」と思いました。ここまでが私の現役時代の勉強法とメディカルフォレストを選んだ経緯です。
ここでは、私が取り組んできた各科目におけるメディカルフォレストでの勉強方法を紹介したいと思います。4科目に共通して言えることですが、まずはテキストを完璧にすることを目標にしてください。講師の方々が厳選して選んだ問題なので間違いはありません。必ず何かの役に立つはずです。確認テストの週や夏期など、集団授業がない時に繰り返し、解きなおすことをお勧めします。
また、集団授業と同時に個別授業を併用することを強くお勧めします。7~8校の入試を受けることを考えると、後期は過去問やセンター対策で手一杯になります。そのため4~8月の間しか基礎を固めるチャンスがないからです。逆に基礎が後期のスタートまでに出来ていれば、非常に大きなアドバンテージになります。前期から個別を取り、確実に基礎を固めるべきです。基本的には集団授業で担当している講師の授業を受けるのが良いと思います。では、私自身が実際にやっていた勉強や今思う勉強方法をつらつらと紹介したいと思います。
※やり方が特殊のものがあるので参考程度に。講師の先生の指示や自分の得手不得手に合った勉強を進めてください。
【数学】
数学ⅠAⅡB、Ⅲともに学習のベースとしていた教材は集団授業で扱っていたテキスト。数学ⅠAⅡBは、宿題で予習をし、出来なかった箇所に印をつけ、授業で板書する。復習は授業が終わった直後の自習時間に1週し、間をあけて3日後にその中で出来なかったものをもう1回取り組み、次の週の予習も並行して進めていた。時間を少しあけて解くことで、短期ではなく長期間の定着を図るようにしていた。
数学Ⅲの復習は数学ⅠAⅡBと同様。宿題で予習をする指示がなかったが、自主的に授業前にその日やる単元の教科書の該当箇所を読むようにしていた。また、数学Ⅲは入試ではウエイトが大きいので、早いうちから対策するべき。プラスαで長谷川先生の個別を週に1コマ受講し、テキストのフォローや青チャートの演習課題を別途でもらっていた。長谷川先生には1年間通してテキストから過去問まで幅広く見てもらったので数学の成績を大きく伸ばすことができた。今思うとⅠAⅡB、Ⅲを1コマずつ受講したらより余裕を持って演習を積めたと思う。
【英語】
文法のベースは先生のオリジナルプリント。テキストを問題集代わりとして使っていた。ほかの問題集を使い多くの演習をこなすというよりは、テキストをやりこむことで少ない問題で時間をかけて文型や動詞の語法を意識して勉強を進めた。
読解はオリジナルプリントやテキストの予習をして、復習はとにかく音読。頭の中で和訳が浮かんでくるくらい、とにかく読み込んだ。音読の際に意識していたのは主語、動詞、補語などフレーズや文型を意識すること。文構造を意識することで和訳と同時に文法事項の復習もしていた。個別は文法の担当をしていた石橋先生のコマを受講していた。文法と同時に読解の方も一からみっちり指導してもらい英語力の向上を図ることができた。センター試験対策も直前期までやってもらったおかげで点数を120点から180点まで伸ばすことができた。数学や理科ばかり追い込みがちで英語が手薄になる受験生は意外と多いので、週に1コマは個別を受講することをおすすめする。
【化学】
学習のベースとしていたものは先生オリジナルの教材と演習用テキスト。授業の予習は特にしなかったが、その分復習に重きを置くようにしていた。有機、無機の授業では質問タイムがあり、どんな質問がきても答えられるように常に準備するように心がけていた。また、一度やったミスを二度と繰り返さないように、ミスを書き留めておくハンドブックを作り、電車の中や家で見直していた。理論の演習は数学と同じように間をあけて解くようにしていた。個別授業は7月から本格的に吉野先生のコマを受講していた。授業内で問題を解き、課題ももらい、演習量を積むようにしていた。このおかげで化学の偏差値は20くらいあがり、苦手だった化学を得意科目にすることができた。
【物理】
学習のベースとしていた教材は先生のオリジナルのテキスト。物理に関しては本当にテキスト1本で、他の問題集には一切手を出さなかった。後期に赤本をやったくらい。個人差があるので、『良問の風』などの基礎~標準レベルの問題集を並行してやるのもアリだと思う。予習の前には教科書を読んでおくとよい。予習、復習は数学と同様。ここで一つ意識していたのは、テキストを暗記しないで解くこと。暗記してしまうと類似の問題が解けなくなってしまうので、知識の定着と同時に理論的に考えて解くことを心掛けていた。個別は後期から取り始め、過去問のわからない箇所を質問するようにしていた。
受験勉強を続けるうえで、精神面は意外と大きく影響します。勉強をするのが辛くなった時は、小川さんやスタッフの方と話してみるのが良いと思います。くだらない世間話や悩みを吐き出すだけでも割とリフレッシュになります。スタッフの人と親睦を深められる良い機会にもなるので、試してみるのも面白いと思います。
塾にはとにかく毎日来ましょう。そして、いる時間は全力で勉強しましょう。私は家では勉強できないので、塾で朝9時過ぎから夜9時まで目一杯勉強していました。その代わり家では1時間以上は勉強しないと決めていて、やるものは教科書を読むか暗記ものをやるくらいでした。また、夜勉強するか否かは人それぞれですが、生活リズムを崩さず最低6時間の睡眠をとりましょう。家で勉強していても、授業で寝たら本末転倒ですから。しっかり睡眠と朝食をとり、遅刻しないことが体調管理をする上で非常に大切です。
日曜日は授業がない日ですが、塾で勉強しましょう。日曜日は時間があるので、その週でやり残したことや次の週の予習などをし、調整日にすると良いと思います。家はテレビやスマホなど誘惑が多いので、私は塾に来て復習の残りや個別でもらった課題プリントなどを解いていました。臨機応変に日曜日の使い方を考えるようにしましょう。
河合塾の全統記述模試の成績が悪くてもあまり落ち込まないこと。偏差値が出なかったことに一喜一憂し過ぎてはいけません。(少しはしても大丈夫です。ただし、引きずらない程度に)模試を通じて、自分がどこで間違え、何故勘違いし、ミスをしたのかを把握し、次に生かすことを考えましょう。模試や確認テストで間違えた問題は、直後に見直し、さらに1~2か月後にもう一度解きなおすと、とても良い復習になります。是非試してみてください。間違えた問題を集めて、ハンドブックにまとめておくこともお勧めです。
しかし、私は記述模試よりも確認テストを意識するべきだと思います。河合の記述模試は医学部受験に特化しているわけではないのであまり参考にならないと思います。(それでも4教科で偏差値60はないとマズイ…)そのため、学習の到達度を試しているものと考えて良いと思います。ただ、入試本番同様の緊迫した雰囲気を味わえる数少ないチャンスなので、模試は本試験のつもりで挑んでください。
一方で確認テストは集団授業を担当している講師がつくります。自分の復習の出来具合がそのまま反映される貴重な機会です。復習がしっかりできていれば、必ず合格できるので、是非高得点目指して頑張ってください。実際に2017年度本科生の合格者は、確認テストの総合得点のランキングに貼りだされている人がほとんどです。私自身は記述模試では4科目で、偏差値は62~63で良くてD判定という感じでした。確認テストはランキングに載ったり載らなかったりと不安定でした。今思えば確認テストを意識してモチベーションをあげて勉強していれば、より万全の状態で入試に臨めていたのではないかと反省しています。私のような不安定な勉強をせず、是非確認テストでランキング圏内に入ることを意識すると良いと思います。
受験勉強は自分との戦いです。10か月という長いスパンで勉強するうえできっと多くの困難に直面するでしょう。勉強が嫌になったり、講師にキツイことを言われたり、成績が思うように伸びなかったり、受験期になって思うような結果が得られなかったりするかもしれません。ですが、たとえどんなに苦しくても途中で投げ出したり、塾に来なくなったりしてはいけません。毎日塾に来続けて勉強すること。今まで続けてきたことを最後まで続ければ、きっと良い結果がついてきます。
私自身10月の河合の記述模試で北里、東海含め、オールE判定だった時は死ぬほどへこみました。受験期になってからも、絶対に合格するつもりだった聖マリと北里と東海と埼玉後期に落ち、「もうだめだ…」と半ば諦めかけていました。けれど、東京医大に受かったのだから。偏差値40台からのスタートでも死ぬ気でやれば1年で合格できるのだから。医学部受験は最後まで何が起こるかわかりません。限界を決めずに、努力し続ければきっと何か起こる。これだけは私自身1年間の浪人生活の中ではっきりと言えることです。メディカルフォレストの皆さんが最後まで諦めず勉強を続け、来年の春を笑顔で迎えることを心から願っています。
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