勉強法

医大生チューターがお勧めする学習計画に基づく勉強法

この記事は、医学部に通う現役学生チューターのインタビューをもとに構成しています。

医学部合否を左右する学習計画

これだけははっきり断言しますが、緻密な計画なしに受験勉強の成功はありえません。なんとなく場当たり的に勉強していてもモチベーションが続かず、自分が目指すゴールに到達することはできないでしょう。まさに、学習計画こそが合否を分けるといってもいいくらいです。そこで、科目ごとの年間を通した学習計画の立て方、1週間での学習計画の立て方をお話していこうと思います。

年間を通した学習計画の立て方(高1・2生の場合)

非受験生である高1・2生は、受験に向けて効率的に学習する、というよりは、受験生になった時の為の準備として、徹底した基礎固めと、土日や長期休暇を使った応用力養成がメインとなってきます。

 

高1・2生は現在進行形で未習単元を次々に学んでいくことになります。授業の度に知らないことがらが登場し、その復習に追われることとなるでしょう。高1・2生に求められるのは、その単元が終わるときには、その単元における十分な基礎力がある状態になることです。これは学校の教科書傍用問題集を授業進度に合わせて解き進めれば十分です。

 

そのうえで次に求められることが、長期休暇などの、学校の授業が進行しない時期に、入試基礎レベルの応用力を身に着けるということです。これは市販の問題集を買ってやっていくことになります。

 

まとめると、高1・2生の年間を通したおおまかな学習計画としては、

(1)通常の学期中は、学校の授業進度に合わせて教科書傍用問題集を解く。
(2)長期休暇などを用いて、入試基礎レベルの問題演習を行う。

ということになります。これはどの科目においても共通なので、科目別に触れることはしません。

年間を通した学習計画の立て方(高3・高卒生の場合)

受験生である高3・高卒生は、高1・2生のように、習ったものから順に問題演習を進めていく、などと悠長なことは言っていられません。高卒生に限って言えば、一通り習い終えているはずですから。

 

受験生は、志望校の過去問分析を行ったうえで、科目ごとに単元に優先度をつけます。この優先度にしたがって、問題演習の量を調節するのです。様々な学習計画の立て方に関する記述を読むと、「問題演習は問題数を月や週や日で割って、ある程度の目安をつける」と書かれています。別に間違いではありませんし、ある程度志望校合格が見えている人ならそれで良いと思います。

 

ですが、志望校がはるか遠くにあるような人は、その余裕すらないはずです。そのような人たちは、優先度の高い単元から早期に取り組み、解く問題数も多くします。逆に、優先度の低い単元は、早い時期にいわゆる典型問題を済ませてしまい、あとは模試などでその単元の問題に触れるたびに復習する程度でも構いません。とにかく、優先度をつけるのです。効率的にやることが重要なのです。

 

優先度の付け方は、正直自分1人で行うのは難しいと思います。学校の先生や予備校の先生などに、「仮に優先度をつけるとしたら、どの問題が大事ですか?」と尋ねましょう。先生を積極的に利用することは、とても大切なことです。ただ受身で授業を受けるだけではなく、自分から添削課題をもらったり、質問したりすることが合格者共通の資質と言えるでしょう。

 

以下に、科目ごとの大まかな学習計画を記します。高3・高卒生では違うので、別々に示します。

高3生向け!科目別の学習計画

【数学】
1学期
数Ⅲで新規に学習したことを、教科書傍用問題集などを使って復習していき、夏休みまでに基礎固めを済ませてしまう。数ⅠAⅡBについては履修済みのはずなので、優先度をつけて、市販の問題集を用いて入試基礎レベルの演習を順次行う。

 

夏休み
数Ⅲは、1学期に習ったことについて、市販の問題集を用いて入試標準レベルの演習を行う。数ⅠAⅡBは、優先度の低いものは典型問題の解法を暗記することに徹し、優先度の高いものは入試標準レベルの演習を行う。

 

2学期
数Ⅲで新規に学習したことを、教科書傍用問題集などを使って復習していき、週末などを使って入試基礎レベルの演習を順次行う。数ⅠAⅡBは、過去問を解いてみる。自分の到達度を把握し、不足する単元について、集中的に入試標準レベル(大学によっては入試応用レベル)の演習を行う。

 

11月以降
公立高校でも、学校で未習のものはほぼない状態になるはず。過去問を解き、不足を見つけ、市販の問題集や他大の過去問を用いて補う、という過程を繰り返す。

 

【英語】
1学期
学校のカリキュラムに関係なく、市販の問題集を用いて文法事項を固めてしまう。未習のものは、教科書や市販の参考書を用いてある程度自学で済ませてしまう。余裕がなければ長文には手をつけなくても良い。余裕があれば、市販の問題集を用いて入試基礎レベルの長文を読み、英文を読むことに慣れておく。英単語は1学期が終わるまでにほぼ完成させておきたい。

 

夏休み
英文法が固まっていない人は、至急固める。市販の問題集を用いて500~700字くらいの長文が読めて、ある程度問題が解けるような域に達しておく。時間内に解くことを意識するよりは、英文がちゃんと読めているか、設問に解答できているかを重視する。

 

2学期以降
自分の志望校の過去問を分析し、読めなければならない英文の量を定め、それに合った市販の問題集で演習を積む。制限時間を意識して解答したいところ。志望校の過去問に文法問題が大問として存在する場合は、スキマ時間などでも構わないから、市販の問題集を用いて演習をしておく。市販の問題集での演習がある程度済んだところで過去問演習に入る。過去問に入る時期は数学や理科よりも遅めで構わない。

 

【理科】
1学期
理科は原則として数学と同じようにやればよいのだが、3年生になった時点でも未習事項が多く、なかなか進めることが出来ない。そのため、既に習ったことについて市販の問題集を用いて問題演習を積み、出来る限り入試基礎~標準レベルまで順次到達するようにする。

 

夏休み
おそらく数学と英語が忙しいと思われる。1学期からの継続程度でも構わない。出来るのであれば、市販の問題集を用いて2学期の先取り、入試基礎レベルの問題演習をしたいところではある。

 

2学期
1学期と同様に、習ったことから順次入試標準レベルまで持っていく。

 

直前期
一通り習い終えたところで過去問演習を行い、不足する知識などが見つかれば、適宜問題集で補う。

高卒生向け!科目別の学習計画

【数学】
1学期
多くの高卒生は予備校に通うはずであり、予備校は1学期中に全単元を1周してしまう。授業の復習を十分行い、市販の問題集から類題を引っ張ってきて、典型問題の解法を一通りマスターさせておく。高卒生の1学期で大事なのは、得意単元を伸ばすことではなく、ニガテな単元、優先度の高い単元の基礎力をつける、ということである。したがって、難しい問題に手を出そうとするのではなく、予備校の授業、あるいはそれ以下のレベルの問題に慣れておくことが重要となる。まだ基礎力のない生徒は、授業の予習を無理に行おうとはせず、授業中に先生の説明をよく聞き、復習に徹する方が良いと思われる。

 

夏休み
1学期で全単元を1周しているのだから、ある程度の基礎力はついていることと思われる。したがって、夏休みのうちに市販の問題集を用いて入試標準レベルまでは学力をつけておくことが重要となる。夏休みのうちに志望校の過去問を1年分解いて、自分の学力との差を確認しておいてもいいかもしれない。

 

2学期
志望校合格にむけてひたすら問題演習を積む。この時期には予備校の授業の予習が出来るはず。予習中心で、授業の復習を行うよりかは、自分にとって優先度の高い単元の授業だったなら授業の類題演習を、優先度の低い単元の授業だったなら優先度の高い単元の演習を積むと良い。

 

直前期
全科目の足並みをそろえて過去問演習をおこなう。制限時間をきっちり測り、問題形式に慣れることから始まり、時間内に解答すること、記述問題における小さなミスをなくすことを行っていく。

 

【英語】
1学期
学校のカリキュラムに関係なく、市販の問題集を用いて文法事項を固めてしまう。未習のものは、教科書や市販の参考書を用いてある程度自学で済ませてしまう。余裕がなければ長文には手をつけなくても良い。余裕があれば、市販の問題集を用いて入試基礎レベルの長文を読み、英文を読むことに慣れておく。英単語は1学期が終わるまでにほぼ完成させておきたい。

 

夏休み
英文法が固まっていない人は、至急固める。市販の問題集を用いて500~700字くらいの長文が読めて、ある程度問題が解けるような域に達しておく。時間内に解くことを意識するよりは、英文がちゃんと読めているか、設問に解答できているかを重視する。

 

2学期以降
自分の志望校の過去問を分析し、読めなければならない英文の量を定め、それに合った市販の問題集で演習を積む。制限時間を意識して解答したいところ。志望校の過去問に文法問題が大問として存在する場合は、スキマ時間などでも構わないから、市販の問題集を用いて演習をしておく。市販の問題集での演習がある程度済んだところで過去問演習に入る。過去問に入る時期は数学や理科よりも遅めで構わない。

 

【理科】
高卒生の1番の強みは、おそらく理科にある。高3生が人によっては受験直前まで新規事項を習っているのに対して、高卒生は4月の時点ですでに全単元を習い終えている。この差は大きく、これを活かさない手はない。

 

1学期
入試基礎レベルの問題演習を積み、全単元の基礎力をつける。夏休みまでに教科書レベルの知識は身につけておきたいところ。逆に言えば、この時期に入試基礎レベルの問題演習をやらなければ、高3生と同じラインに立つことになってしまい、せっかくのアドバンテージが活かせない。コツコツとでいいから、確実に全単元の基礎力をつけていきたい。

 

夏休み
理科の本格的な始動は秋からでも十分間に合う。1学期につけた基礎力をより強固なものにすることを目標として、夏休みの学習が大事となる数学・英語の学習を妨げないようにする。本当に余裕のある人であれば、優先度の高い単元について、入試標準レベルの問題演習をしても良いと思う。

 

2学期
ここからが理科の本格的な始動である。入試標準レベルの問題演習を1か月~1.5ヶ月で済ませる。夏休み終了までに十分な基礎力がついている人ならそんなに大変なことではない。

 

直前期
数学・英語と足並みを合わせる形で過去問演習をスタートさせる。理科は間違えた部分を復習し、問題集ですぐに補うことが出来る。あまり時間をかけすぎないように復習・補足をしていき、理科がネックにならないようにする。

 

要チェック! 1週間単位のスケジュール管理法

1週間単位のスケジュールは、非受験生は作らなくても良いです。部活が忙しいだろうし、平日の学習時間はあまりとれないことと思います。ですから、非受験生は1週間の中で、その週に学校で習ったことの復習は最低限やることを意識してください。

 

受験生は1週間単位(できれば日単位)でスケジュールを立てます。科目ごとに書こうとも思ったんですが、基本的には先ほど述べた年間学習計画に基づいて使用する問題集を決め、優先度の高い単元は問題数多め、低い単元は問題数少なめに設定し、1日あたりの演習量を設定します。予備校の授業数が曜日によって異なるでしょうから、設定する演習量は各人が曜日で振り分けてみてください。

 

このときに気を付けなければならないのは、1日のうちで、必ず全ての科目に接するようにすることを大事にしてください。数学の授業がある日なら数学の自習をしなくても良いですが(ほんとは良くないですが^^;)、授業は英語だけ、自習も英語だけ、ということは避けましょう。比重は違えど、ちゃんとまんべんなく全ての科目に触れてください。さまざまな頭の働かせ方をすることで、入試本番の際、科目における頭の切り替えがしやすくなります。

 

あまりにも抽象的なので、これだけは例を示しておきます。内容はあまりしっかりしたものではないので、あくまで形式だけを見てください。これを見てもらうと分かるかと思いますが、学習計画を1人で立てるのは大変なのです。色々な人に助けてもらいながら自分だけの学習計画を立てましょう。
週間学習計画表サンプル

医学部を目指す皆さんへのメッセージ

今回は、学習計画に基づく勉強法について触れました。学習計画というのは100人いれば100通りの計画が出来るくらい多様なもので、志望校が同じでも得意科目・ニガテ科目、現在の学力、暗記が得意かどうか、などで全く異なった計画となります。そのため、今回はあえて具体的な問題集の名前を1つも挙げませんでした。

 

自分1人で学習計画を立てるというのはとても難しいことです。ぜひ、周りの友人の勉強法や使っている参考書を訊いてみたり、自分の志望校に通っている知り合いがいたら、その人の体験談を訊いたりしてみてください。そして、試しに自分で学習計画を立ててみて、それを学校の先生や予備校の先生・チューターに見せて意見を求めましょう。そうすることで、自分の学習計画が磨きのかかった良いものとなるのです。

 

皆さんが良い学習計画の下に受験勉強を積み重ね、念願の医学部合格を勝ち取られることを心から願っております。