難易度が高い医学部受験において、浪人という選択肢は非常に身近なものです。
もちろん一発合格を目指してしかるべきですが、どれだけ準備と対策を入念におこなっても環境やコンディションに左右されてしまうこともあるでしょう。
今回のテーマは、浪人生の医学部受験についてです
医学部受験において浪人生となる割合は、国立で66%・公立で68%・私立で91%ほどです。
この数値は、文部科学省が公開している調査結果の集計による合格率から逆算しています。
令和4年度の医学部受験における受験者数と合格者数、合格率を以下表にまとめます。
(平均数値) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
国立大学 | 336 | 115 | 34.22% |
公立大学 | 293 | 95 | 32.42% |
私立大学 | 2989 | 271 | 9.06% |
※男女合算、受験・合格者数は小数点以下切り捨て
平たく言うと国公立の場合は3人中2人が、私立の場合は10人中9人が計算上で浪人するということです。
狭き門であるため、限られた時間で効率的な学習スケジュールを組む必要があります。
出典:令和4年度医学部(医学科)の入学者選抜における男女別合格率について
勤務と受験勉強の両立は簡単ではありませんが、適切な戦略で乗り越えられます。
時間の制約を受ける中で、毎日の短時間勉強でも成果を上げるためには、質の高い教材の選択と集中力を高める技術が必要です。
また、週末や休日をフル活用して集中的に学習する方法や、移動時間を活用することで、無駄な時間を減少させることができます。
〇関連記事:医学部受験のプロが解説!年間スケジュール&学習計画との付き合い方
医学部受験において、一部の大学以外では年齢制限は設けられておりません。
よって何歳になっても受験できるのですが、制限が無い大学においても年齢を加味して選考をする傾向にあります。
そのため、できる限り若いうちに合格を目指すというのは原則として、気になるのは合格までにかかる平均受験
文部科学省のデータによると、年齢ごとの合格率は以下のようになっております。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 割合 | |
うち18歳以下(現役) | 37,634 | 4,898 | 13.0% | 36.5% |
うち19歳(1浪) | 36,353 | 4,823 | 13.3% | 36.0% |
うち20歳(2浪) | 20,230 | 1,936 | 9.6% | 14.4% |
うち21歳(3浪) | 10,247 | 769 | 7.5% | 5.7% |
うち22歳以上(4浪以上) | 20,709 | 983 | 4.7% | 7.3% |
計 | 125,173 | 13,409 | 10.7% | 100.0% |
出典元:医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査の結果速報について|文部科学省
上記の結果から、医学部は現役合格が36.5%であるため、浪人生の割合の方が多いことがわかります。
他学部の割合と比較すると約3倍であるため、現役合格が狭き門であることがわかります。
そして浪人年数別の割合でみると1浪が最も多く、その後は浪人年数が長くなるにつれて割合・合格率が減少しています。
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浪人中の勉強スケジュールの立て方
続いて、浪人中における勉強スケジュールの立て方について解説します。
基本的には現役生の勉強方法と大きく変わらず、以下の流れに沿って進めることがおすすめです。
前期 | 学習計画を立てる |
薄めの基本書で基礎固めをする | |
謙虚な姿勢で客観的な弱点をつぶしていく | |
夏期 | 前期で扱った内容の「理解と知識」を何度も繰り返す |
前期に扱った全科目、全範囲の復習を終わらせる | |
オープンキャンパスやボランティアにも足を運ぶ | |
後期 | ゴールから逆算して間に合うように計画の見直しを図る |
インプットからアウトプット中心の学習へ切り替える | |
志望大学の出題傾向を把握するために過去問に打ち込む | |
冬期 | 新しい問題より今までやってきた問題を解き直す |
本番での時間配分を体感しておく | |
最後は「解けるイメージ」を頭に刷り込む |
【医学部受験のスケジュールについての関連コラム】
【受験の条件】
4年制以上の大学を卒業し、学士の学位を取得、または取得見込みであること。
大学院の修士課程や博士課程を修了、または修了見込みであること。
浪人生から医学部合格!経験者たちのエピソード
最後に、浪人生から医学部合格を果たした実例をご紹介します。
実際にあった成功体験を知って、自分の合格をイメージしてみましょう。