医学部面接試験対策!個人面接でよく聞かれる10項目【解答例付き】

医学部面接試験対策!個人面接でよく聞かれる10項目【解答例付き】

面接の応答で一番大切なことは、二つあります。

一つ目は、暗記しないこと 。面接試験は、暗記したことを披露する場ではありません。あくまで対話能力(いわゆるコミュニケーション能力)があるか否かを見定める場です。その質問にしっかりと応答すればよいだけです。

もう一つ重要なことは、嘘をつかないこと。正直が一番です。「嘘も方便、適当にそれらしい答えを答えよ」という指導をする医専予備校もあると聞きます。自分の人生を汚すような、そんなことはしないように気を付けましょう。一事が万事になりかねないため、自分に恥ずかしくない受け答えをするのが基本中の基本です。

医学部面接試験を突破するために大切なポイント

医学部受験における面接は、自分の顔を見せることが大切です。

そこに自然と医師への適性が現れればよいといえます。

 

ところが、自分のことをきちっと打ち出せる人が少ないという点が実情として挙げられます。

同じ料理でも、盛り付けしだいでおいしそうにみえたり、不味そうにみえたりしますね。

文字通り「盛る」というわけではありませんが、見せ方が大切ということです。

とにかく「具体的に」が基本です。固有名や数字は、プライバシー問題に配慮したうえでできる限り開示するとよいでしょう。

個人面接でよく聞かれる10のポイント

続いて、医学部における面接試験対策に役立つアドバイスをご紹介します。

今回は、個人面接でよく聞かれる質問と、その答えの組み立て方です。

①大学志望動機について

大切なポイントは、「この大学ではなくては」という強い意欲にあふれていることです。「この大学の校風と伝統に強い憧れをもっていた」「多くの卒業生が活躍している」「医学を研究するのに適した教育方法や教授スタッフ、設備などが整っている」「オープンキャンパスに行ったときの体験授業が忘れられない」などが理由となります。

 

逆に、「偏差値、難易度、ランキング、知名度、ブランド、模試の判定、担任や両親からのプッシュ」などは、主体性がなく本人の意志が弱いと受け取られてしまいかねないので避けたほうがいいでしょう。

 

【よくない例】

大学のパンフレットやHPをただ写したもの。その大学の特徴や建学の精神、アドミッション・ポリシーを書くことも悪くはないですが、それだけでは不可です。

【望ましい形】

その大学の魅力をリアルに言う必要があります。オープン・キャンパスでの体験やその大学の先輩方の言葉や教員の言葉。感銘したことを一言で言いましょう。その際、自分の志向と大学とがマッチしていることを訴えることが大切です。もう一つ大切なことは、医師志望理由にも一言触れること。その夢を実現するには、貴学が理想的環境である理由を訴えましょう。

 

②自分の求める理想的な医師像について

「治療の相手は人間である」ということをいつも忘れない医師になりたい、というような方向で話すとよいでしょう。今や医療技術は飛躍的に進歩し、専門的研究の成果で多くの人命が救われていますが、患者に医師への信頼や安心感がなければ、治療も回復もうまくいきません。その意味で、患者に医師以前に人として信頼され、温かい言葉を自然にかけてあげられる医師を目指しましょう。

 

逆に、「父のような医師になりたい」といった、よくありがちな常套句は控えましょう。それを言うにしても、もっと具体的な説明を付け加えることが必要です。

 

【よくない例】

「患者さんに寄り添った医師、患者中心の医療を目指す」だけしか言わないなど、具体性がないとアウトです。
【望ましい形】

自分の体験に基づいて、「寄り添う」とはどういうことか自分なりに考えている答えを示す。

 

③自分の長所や短所について

長所をアピールするのはもちろんですが、短所をどういう形で克服していったか、まで忘れずに言いましょう。

 

たとえば、「私は責任感が強く、温厚な性格です。しかし内気で自分の意見のよしあしにかかわらず、人の意見に左右されるところがあり、自分の考えがうまく主張できませんでしたが、高2のとき、学級委員に選ばれて以来、クラスをまとめるための率先して発言するように努めました。それからは自分なりに積極性が出てきたと思います。」といった言い回しが良いでしょう。

 

【よくない例】

自己PRの時に、短所は言う必要はありません。「短所」は求められたときに答えましょう。とくに、医師として適性に欠けるような短所はNGです。「すぐ切れる」「周りが見えなくなる」など。そんな人は医師を志願しないほうがよいのでは…と判断されます。

【望ましい形】

長所は少なくとも二点。また、具体的な裏付けとなる経験が必要です。自分にとっては長所でないと思われても、人にとっては長所になりうるかもしれません。「ピアノを10年、習っている」⇒「継続力がある」など。くわえて短所は、長所を拡大することがおすすめです。「継続力」⇒「あきらめが悪い」「マイペース過ぎる」など。短所を言った後は、改善策を実行していることを付言しましょう。

 

④自分の趣味や特技について

趣味の内容を通して、受験生の人柄を見るのが質問の狙いです。勉強以外にどんな趣味にどれほど熱中しているのかを語り、豊かな人間性を印象づけることがポイントです。

 

また、人にはそれぞれ優れたところがあるものです。高校の部活だけでなく、小学生や中学生の頃にやっていたことでもそれが自分の特技と言えるものなら、遠慮なく堂々と試験官に伝えましょう。資格があるなら、どんなものでも構いませんので、アピールしてみましょう。

 

【よくない例】

「部活で頑張りました」といった抽象的なもの。また、「ありません」はもちろんNGです。小学校の体験だけも望ましくないでしょう。

【望ましい形】

具体的に述べることが重要です。「吹奏楽部」だけでもダメで、¥吹奏楽部でトランペットを3年間担当しました」ぐらいまで言いましょう。また学校の委員や文化祭、体育祭のことを言う人が多いですが、何をやったかを具体的に言わないといけません。何もないと思える人も、好きなことや得意なことを具体的に言うことが大切です。そしてできれば、高校以降のことが望ましいです。

 

⑤尊敬する人物について

この質問では、受験生が尊敬し目標としている人物を知ることで、受験生の価値観や人柄をつかむのが目的です。とくに指定のない場合は、身近な人物(先生、クラブ顧問、親)でもよいですが、エピソードを添えて具体的に説明しましょう。

 

歴史上の人物の指定がある場合は、その人物の業績についてきちんと説明できるようにしておきましょう。あやふやな知識だと突っ込まれたときに苦しくなります。

 

【よくない例】

「いません」はNGです。父と母でも構わないが、その場合は具体的に、どういう点かはっきり言いましょう。歴史上の人物では、具体的にどこが尊敬に値するか言う必要があるので覚えておきましょう。

【望ましい形】

できれば医療関係者か医師がよいです。自分や家族がお世話になった先生など、とにかく具体的に。ちなみに、受験大学所属の先生でなくても構いません。外国人の医師が当たり障りないですが、正直に言えばよいでしょう。また、何か貶めることを言われても「ムッ」としないことも大切です。くわえて、本当にそうであるならブラックジャックや医療ドラマなどの虚構の人物でも構いません。ただし、どの点かは具体的に言えないと、かえって減点対象になってしまうので要注意。本当に感銘しているなら問題ありません。

 

⑥家族構成について

明るく穏和な家庭であることを強調しましょう。受験生がどのような家庭環境で育ったのかを見るのが目的です。親の職業や家族構成などから、学費を払える資力があるかを見ている場合もあります。

 

たとえば、「父と母、兄弟4人家族です。父は公務員で、こういう人です。母は主婦で、こういう人です。私の受験に際し家族がいろいろな面で協力してくれました。」といった感じで、一人ひとり、ワンポイント的に言葉を付け加えるのが良いでしょう。

 

【補足】

以前はこういった質問がありましたが、プライバシー保護の観点から現在では質問されないケースが多いです。

もしもあった場合、家族に医療関係者がいるorいないの答え方は大切です。その際、品性や隠さないことが重要となります。
家族という環境によって医師を目指す人が大半なので、主体的選択をしたことを示すことが必要でしょう。ただし上述したとおり、この質問はほぼないので、逆に医師志望理由の中に父母、兄弟のことは一言触れるとよいでしょう。

 

⑦いままでに最も印象に残った本について

読書傾向を聞くことで、受験生の教養、考え方、性格などを探ろうとしています。感動したり、自分の生き方などに影響したことをわかりやすく説明できるようにしておきましょう。タイトルと著者だけでなく、本の要旨や印象に残ったフレーズなどを簡潔に言えるように準備してください。

 

【よくない例】

「ありません」はNGです。しっかり準備しておきましょう。

【望ましい形】

正直に言うことと、内容も簡潔に言えることが大切です。著者名や主人公名などは言えて当然でしょう。また、医療関係でなくても問題ありません。最悪の場合、学校の教科書内の作品でもよいです。たとえば「高瀬舟」「こころ」など…

 

⑧最近関心をもったニュースについて

受験生がどんな社会問題に興味をもち、それについてどう思うかを問う質問です。ニュースの内容は、医療だけではなく現代社会全般に関わるものから選んでも大丈夫です。いじめ、環境問題、高齢化、インターネットなど、幅広くアンテナを張っておくようにしましょう。問題の背後にどんな原因があるのか、それをどうしたら解決できるか、という観点から簡潔に説明できるようにしましょう。

 

【よくない例】

凄惨な事件や事故関係は単に目についただけと判断されかねないなので、あまりよくありません。

【望ましい形】

最新ニュースについては、医療関係とそれ以外の二つは準備しましょう。そのニュースについて、考えたことが言えるようなものが望ましいです。加えて、プラスイメージのニュースの方が言いやすいのでおすすめです。医療事故よりもノーベル医学賞など。医療以外で最も言いやすいのは、スポーツ関係でしょう。

 

⑨高校生活で最も感動したこと、頑張ったことについて

高校生活を通して身につけた感性を見るのが狙いです。高校という集団生活のなかでは社会性というものが不可欠です。周囲の人たちとうまく付き合ってきたのか、誰ともでもコミュニケーションをスムーズにとれるか、相手の気持ちに共感できる能力をもっているのかなど、人間性が問われます。

 

医学部は狭い世界ですので、大学生活を営むうえでそういった要素はかなり重要になります。不合理な現実に対しては、理屈だけではなく人情という要素も必要です。そういったバランスのとれた柔軟性もアピールポイントになります。

 

【よくない例】

「クラス委員」「体育祭や文化祭実行委員などで責任をもって取り組んだ」などとしか書いていないもの。何を行ったのかを具体的に書かないと、伝わりません。

【望ましい形】

とにかく具体的に言うことが大切です。文化祭ならどんな出店をしたのか、何を担当したのかを言いましょう。また、そこで発揮した力や気付いたことも言います。サッカーならポジション、試合の結果などまで話しましょう。
とくに、「コロナ禍」を体験している世代は、そこでの気付きやエピソードを言えるようにすることが大切です。リモート授業と対面授業のメリットとデメリットは、具体的に言えるようにしましょう。

 

⑩併願校について

他校は受験していないというのは、あまりにも不自然ですので、当たり障りのない程度に2、3校と答えるのが良いでしょう。但し、あくまでも貴校が第1志望で入学したいという気持ちは伝える必要があります。

 

また、地方の大学を練習で受けた場合に、面接官から卒業後も残る気持ちがあるのかを問われる場合があります。あえて正直に答えて突っ込まれ、その場の空気が悪くなるのもよくありませんので、そこは大人の対応が望ましいでしょう。

 

【よくない例】

その大学が滑り止めであることや、志望順位が低い大学であることを告白することは当然ながらNGです。嘘をつかないというより失礼な発言をしているだけなので、確実に避けましょう。進学してもよい大学なら、基本的には第一志望とみなす心意気が大切です。

【望ましい形】

上記の要素以外においては、正直にいえばよいでしょう。ただその一方で、どうしてもその大学に合格したいという気持ちを出すことが大切です。併願については、上位大学や国立大学を受験している場合も正直が基本的におすすめです。しかし、ずらずらたくさんの大学を羅列するのも相手にわかりづらいので、2~3に厳選してよいでしょう。

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