Point1 まずは問題集から!
化学は理論分野のように公式を使って解く問題と、無機分野のように知識を問う問題に大別されます。公式を使って解くというと数学のような難しさを感じてしまうかもしれませんが、数学とちがって図形的な考え方がほとんど必要とされません。
また、知識を問う問題についても、基本をきちんと学習していれば答えられるものです。どちらにしても、問題集や過去問で勉強したのと同じような問題がそのまま、模試でも入試でも出題されます。そのため、化学は勉強量がそのまま実力になりやすい教科です。
まずは問題集で勉強し、それを仕上げてから過去問に取り組むようにしましょう。教科書や分厚い参考書は通読するより、分からなくなったとき調べるために使うようにするとよいです。
Point2 分野によって勉強の仕方に工夫を!
無機分野や有機分野の知識は、どのようにして身につけるか自分なりの勉強法を確立していくことが重要です。語呂合わせが載せられている参考書を使ったり、複雑な構造式を形のイメージで覚えてみたり、図録を見て印象に残すようにしたり、図を書いてノートをつくったりといった勉強の工夫が必要です。
そのうえで問題集を解くこともしましょう。とくに無機分野については、無機専用の問題集を活用すると、受験で問われる知識をおおよそすべて網羅することができます。
Point3 有機分野は類題の練習が一番の早道!
私立医学部入試では無機分野より有機分野のウェイトが大きく、また有機分野のうちでも合成高分子より天然高分子が頻繁に出題されます。そして有機分野は、たんに知識が問われるばかりでなく、実際に知識を活用できるかということも、構造決定のような問題では問われます。
どのような構造式が考えられるかすべて書き出すことや条件に合う構造式をしぼることは、有機分野に特有の問題と言えます。うまく答えが出せるようになるまで類題の練習をいとわず重ねることで上達します。
高2の間に理論分野の勉強を一通り終えているとよいです。問題集にのせられている理論分野の問題をすべて解けるようになることが目標です。市販の問題集でも、学校で使っている問題集でも構いません。理論分野の問題は計算力が要求されます。有機分野と無機分野はこの時期に、上で述べたように勉強法を確立しておきましょう。
高3になると、毎日化学を勉強する時間をさくことはなかなかできません。一週間のうち化学の勉強にあてる時間の計画を立ててください。夏休みが終わるまでに、理論で弱点となっている単元の克服と、無機分野の学習、そして高分子化合物までふくめた有機分野の勉強を終えましょう。9月以降から志望校の過去問を解いて、時間配分など実戦的な対策を練ります。
化学を得意科目にすることを積極的に狙っていくべきです。夏までに問題集や過去問を解き直して、弱点を洗いだしながら、勉強不足となっている単元に取り組んでください。分からない点を残さないでおくことが大切です。秋からは志望校のみならず、志望校と同じ難度の過去問も勉強して万全を期していきましょう。
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