フォレストクイズ」カテゴリーアーカイブ

フォレストクイズ②

2024年10月17日

第2回のフォレストクイズです。前回(10月12日投稿)に引き続き今回も「ノーベル賞」についての話題から問題を出題します。今回はいきなり問題です!

Q.今年(2024年)のノーベル物理学賞とノーベル化学賞の双方で注目された、人間の脳の神経回路網を模した人工知能の情報処理モデルのことを「〇〇〇〇〇ネットワーク」という?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.「ニューラルネットワーク」

ニューラルネットワークの「ニューラル(neural)」とは人間の神経細胞を意味する「ニューロン(neuron)」の形容詞形のことです。

今年のノーベル物理学賞は人工知能の機械学習の手法を確立した研究者であるジョン・ホップフィールド氏とジェフリー・ヒントン氏に贈られ、情報科学専門の部門を持たないノーベル賞の歴史に新たな1ページが刻まれました。ホップフィールド氏はニューラルネットワークに物理学の理論を取り入れ、不完全なデータから元のデータを再現することができる「連想記憶」という手法を開発しました。ヒントン氏はこれを統計物理学の手法を用いて発展させ、こんにち注目される「生成AI」の技術の端緒を生み出しました。

また、今回のノーベル物理学賞の発表を受けてニューラルネットワークの基本的な理論などを発展させた甘利俊一氏や、ヒントン氏の研究にも応用された画像認識技術を考え出した福島邦彦氏をはじめ、多くの日本人研究者が再注目されていることも忘れてはなりません。

更に、今年のノーベル化学賞ではタンパク質の立体構造の解明に際し、ニューラルネットワークの技術を用いて高精度な予測を実現した研究者にも賞が贈られました。今年のノーベル賞は「ニューラルネットワーク」が発展をもたらした研究が日の目を浴びましたが、むしろこれからはこの技術に関する研究がノーベル賞を取るのが当たり前になる日も近いのかもしれません。

 

ここ数日、関東地方は温かい日が続いていますが、気温差などで体調を崩さないように気をつけながら生徒さんには日々を送っていただきたいです。頑張れフォレスト生!

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

(次のフォレストクイズ更新は10/19の予定です。)

 

出典

コトバンク「ニューラルネットワーク」 https://kotobank.jp/word/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF-6986

NHK ノーベル物理学賞 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241008/k10014603511000.html

WIRED ノーベル物理学賞 https://wired.jp/article/nobel-prize-in-physics-2024-geoffrey-hinton/

NHK ノーベル化学賞 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241009/k10014604671000.html

日経ビジネス ノーベル化学賞 https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00461/101000250/

フォレストクイズ①

2024年10月12日

今回から始まった新連載、その名も「フォレストクイズ」。理系ジャンルを中心に様々なニュースをクイズにしてこちらでお届けしていきます。

記念すべき第1回目の内容は、現在(2024年10月12日)2024年度の受賞者が発表中の「ノーベル賞」についてです。このブログが公開された時点では経済学賞を除く5部門の受賞者が発表されています。その中でも最初に発表されるのがノーベル生理学・医学賞。メディカルフォレストの生徒たちにとっても重要なニュースですよね!

そこで問題。
Q.今年(2024年)のノーベル生理学・医学賞を受賞したビクター・アンブロス氏とゲイリー・ラブカン氏がその存在と役割を解明したのは「〇〇〇〇RNA」?

 

 

 

 

 

 

A.「マイクロRNA」

マイクロRNAは文字通りとても小さなRNA。mRNA(メッセンジャーRNA)と結びついて遺伝子の働きを制御する働きがあり、「遺伝子の働きを制御するのは『転写因子』と呼ばれる特殊なたんぱく質だけである」とされていた従来の学説に新発見をもたらしました。ヒトでも既に1000種類を超えるマイクロRNAの存在が確認されており、それらの働きが異常になることで様々な病気などが引き起こされることも分かっています。また、マイクロRNAは人工的に作ることが可能で、ある遺伝子の働きを意図的に抑えるマイクロRNAを作り出すことでその遺伝子がどのような働きをするか、ということを調べられるようになりました。マイクロRNAの発見は様々な病気の診断法や新薬の製造などの研究にもつながると考えられています。

生命科学の進歩に大きな貢献をしたマイクロRNA。ひょっとしたら今年度の医学部受験でもどこかが問題に取り上げるかもしれませんね。「フォレストクイズ」ではこれからも様々な情報をクイズ形式でお届けしていきます!

生徒さんは来たる受験に向けてニュースを見る余裕もない日々を送っていることかと思いますが、体調には大変気を付けて残りの時間を過ごしてほしいです!頑張れフォレスト生!

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

出典
NHK https://www3.nhk.or.jp/news/special/nobelprize/2024/medicine/article_01.html
読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/medical/20241007-OYT1T50176/
サイエンスポータル https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20241007_n01/