フォレストクイズ」カテゴリーアーカイブ

フォレストクイズ25⑩

2025年8月7日

第10回目のフォレストクイズ25です。今日・8/7は暦の上では「立秋」、秋の始まりの日ですが、まあそんなことを言いましてもこの気候では……。フォレスト生の中には帰省する人も少なくないとは思いますが、もはやどこにいても酷暑は避けられない時代。とにかく栄養をつけて、涼しい部屋に極力居るようにして、この夏を乗りきっていきましょう。

さて、今回は日本の医療保険制度改革に関する問題を出題します。

Q.医療保険制度改革により「保険適用外」とする議論が行われている、医療用医薬品として処方される医薬品のうち、OTC医薬品と同じ有効成分・効能を持つものを何という?

~~~答えは下にスクロール~~~

A.OTC類似薬
「OTC医薬品」といえば「Over The Counter」の略で、薬局、ドラッグストア、コンビニなどで医師の処方箋無しに購入できる医薬品のことですが、こうしたOTC医薬品と同じ有効成分が入っており、同じ効能を持つ医療用医薬品のことを、一般に「OTC類似薬」と呼びます。
昨今の日本の医療費の増大を受けて医療保険制度改革の必要性が議論される中で、比較的軽度な症状に対して処方されることが多いOTC類似薬を保険適用外に変更しようという動きも見られます。いわゆるセルフメディケーション(軽微な症状であれば医師の診断を受けずに患者の自己判断でOTC医薬品などの市販薬を購入すること)の推進により、税制上の優遇措置もありますが、いくら優遇措置があったとしても、保険適用外になることで増える経済的な負担は賄いきれません。とすれば患者、とりわけ慢性的な症状を持つ患者にとっては負担増となりますし、そうなれば受診控えや不適切な医薬品の使用(医薬品の使用を過度を控えようとするなど)にも繋がり、健康面における更なる不安要素となりかねません。また、医師の診断を経ずに自己判断で医薬品を使用することにより、診断を受けていれば軽度な症状で済んでいたところが、誤った判断により重篤な症状になってしまう可能性もあります。こうした指摘からOTC類似薬の保険適用外しには異を唱える人も少なくありません。今後どのような議論がなされるか、注目していきたいですね。

受験生にとって体調管理は難しい課題です。自分の身体とよく向き合って、病気にならないよう努めていきましょう!頑張れフォレスト生!!

メディカルフォレスト 上山

出典
日本医師会 https://www.google.co.jp/url?sa=t&source=web&rct=j&opi=89978449&url=https://www.med.or.jp/nichiionline/article/012078.html&ved=2ahUKEwixvPmSmt-OAxXor1YBHZwXCfAQFnoECCMQAQ&usg=AOvVaw1h02lTn-VRFTwW7-JClArG

立秋 二十四節気 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2025/rekiyou252.html

フォレストクイズ25⑨

2025年7月26日

第9回目のフォレストクイズ25です。今年(2025年)は7月19日から8月6日が「土用」。「土用」とは季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の前18日間ほどの期間を指し、とりわけ「夏の土用」のことを言うことが多いです。「土用の丑(うし)の日」といえば、日付に十二支を割り当てたもののうち「土用の期間中にある丑に割り当てられた日」のことで、この日に「う」のつく食べ物、とりわけ「うなぎ」を食べると良いとされてきました。今年の「土用の丑の日」は7月19日と7月31日と期間中に二度訪れます(それぞれ一の丑、二の丑と呼びます)。また、「土用」といえば「土用波(どようなみ)」という言葉もあります。「土用波」とは土用の時期に太平洋側に打ち寄せる大波のこと。この時期に熱帯で発生した台風が起こしたうねりが海岸まで到達すると、風もないのに大波になることがあります。特に今日・7月26日は大潮にあたりますが、土用の大潮の時期にはとりわけ大きな波となるため非常に警戒されてきました。土用波に限らず、水難事故にはくれぐれも注意しましょう。

さて、今回のフォレストクイズは量子物理学における大発見から出題します。

Q.今年(2025年)発表の研究により、従来の「ラグビーボール型」に代わって提示された、重い原子核の形状を表す言葉は「何型」?

~~~答えは下にスクロール~~~

 

A.アーモンド型

1950年代に行われた研究により科学界では「軽い元素の原子核は球状だが、重い原子核は『ラグビーボール状』に変形している」と考えられてきました。ところが、日本の理化学研究所の仁科加速器科学研究センターの研究チームが、これを覆す新説を発表しました。それは、「断面が円である『ラグビーボール型』ではなく、断面も楕円である『アーモンド型』」になっているというものです。このような変形を起こすメカニズムを発見すると共に、これを理研のスーパーコンピュータ「富岳」でシミュレーションし実証したのです。その内容については、流石に筆者の手に余るところですので出典を確認いただくこととしますが、量子力学の誕生から100年であり、ユネスコの「国際量子科学技術年」である2025年に素晴らしい研究成果が出たのは、歴史の必然かもしれません。

夏期タームもまだ道半ば。夏バテに負けずに栄養を補給して、良い勉強習慣を維持していきましょう!頑張れフォレスト生!

メディカルフォレスト 上山

出典
理化学研究所 https://www.riken.jp/press/2025/20250602_1/
ナショナルジオグラフィック https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/25/063000359/

コトバンク 土用 https://kotobank.jp/word/%E5%9C%9F%E7%94%A8-105999
コトバンク 土用波 https://kotobank.jp/word/%E5%9C%9F%E7%94%A8%E6%B3%A2-106002#w-106002
国立天文台 今年の土用 https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/phenom_sekki.cgi
葛西臨海公園 今年の大潮 https://kasaikaihinpark.com/wp-content/uploads/2025/01/%E6%BD%AE%E4%BD%8D%E8%A1%A8_2025%E5%B9%B4_241124.pdf

フォレストクイズ25⑧

2025年7月14日

第8回目のフォレストクイズ25です。今日・7月14日はアルフレッド・ノーベルがダイナマイトを発明した日(1866)とされています。爆薬のニトログリセリンを扱いやすくするため珪藻土に染み込ませ、起爆のための雷管を取り付けた道具であるダイナマイトの発明により、ノーベルは巨万の富を得ました。ノーベルはダイナマイトという強力すぎる兵器が抑止力となり平和に繋がると見込んでいたようですが、結果的には戦争の規模を拡大させることになってしまいました。これを受けて私財を基に設立されたのがノーベル財団、そしてノーベル賞です。

さて、今回のフォレストクイズでは、そのダイナマイト発明の10年前の出来事から出題します。

Q.1856年、マラリア特効薬のキニーネを合成しようとしたウィリアム・パーキンが偶然にも発見し、のちに工業化に成功した、紫色の合成染料は何?

 

~答えは下にスクロール~

 

A.モーブ(モーベイン)

今日・7月14日は化学者ウィリアム・パーキン(1838-1907)が亡くなった日です。彼が作り出した「モーブ」は世界で初めて工業化に成功した合成染料とされています。彼の師匠であったホフマンは石炭を高熱で分解した際に残るコールタールからアニリンが得られることを見出していましたが、パーキンはこのアニリンからキニーネが合成できるのではないかと考えて実験を行いました。この時、アニリンに不純物が多く含まれていたがために、偶然にも紫色の染料を作り出すこととなります。当時、紫色の染料は貝の一種からわずかに得られるだけの、ごく貴重なものでした。パーキンは合成された染料の性質や、その製法について調べ、工業的に製造できることを確認すると特許を取得、ビジネス化することとしました。この染料を用いた紫色の衣服は、ロンドン万博でヴィクトリア女王が着用したり、フランスで売り出され人気を集めたりと一定の成功を見せました。この染料はフランスで売り出された際の「モーブ(モーベイン、フランス語で「葵」を意味する)」の名で知られることとなります。

さて、この「モーブ」の発見は「有機合成化学(様々な有機化合物の合成を目指す化学)」の一つの大きな源流となりました。モーブの発見により様々な色素が合成されるようになり、ただ「染める」という目的にとどまらず、半導体や液晶にもその技術が用いられるようになります。更には合成染料に留まらない、有機合成化学の手法による様々な製品の研究開発が発展し、プラスチックのような高分子物質や医薬といった今日用いられる製品に繋がっていきます。更に医学の分野でいえば、合成染料による染色技術の発展が細菌を染色させる観察する手法に繋がり、感染症学の発展を促したという側面もあります。パーキンがモーブを発見した時のような「偶然の発見」を「セレンディピティ」などと言いますが、パーキンがその偶然を好機と捉え、研究を深めていったからこそ今日の生活があるのだと思うと、その影響力の大きさに驚かされます。

さて、今週末には第3回実力テストが行われますね。前回の実力テストを受けて学習計画を立てて頑張ってきたことと思います。今の自分を確認し、次に繋げていきましょう!頑張れフォレスト生!!

メディカルフォレスト上山

(次回のフォレストクイズ更新は7/26の予定です。)

出典

コトバンク パーキン https://kotobank.jp/word/%E3%81%B1%E3%83%BC%E3%81%8D%E3%82%93-3165140#w-113585                                                         コトバンク モーブ https://kotobank.jp/word/%E3%82%82%E3%83%BC%E3%81%B6-3173573#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29                                 パーキンの生涯について https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/records/23869                     コトバンク アニリン https://kotobank.jp/word/%E3%81%82%E3%81%AB%E3%82%8A%E3%82%93-3141275#w-1867786                                                      モーブの流行と合成染料の感染症学への導入 https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/70/8/70_376/_pdf/-char/ja                       コトバンク 有機合成化学 https://kotobank.jp/word/%E6%9C%89%E6%A9%9F%E5%90%88%E6%88%90%E5%8C%96%E5%AD%A6-1603207#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89                  色素の研究について https://www.nikkakyo.org/upload/plcenter/349_371.pdf                  コトバンク セレンディピティ https://kotobank.jp/word/%E3%81%9B%E3%82%8C%E3%82%93%E3%81%A7%E3%81%84%E3%81%B4%E3%81%A6%E3%81%84-3240496#w-2659131

ノーベル ダイナマイト発明 https://gendai.media/articles/-/56229                ノーベル ノーベル賞設立 https://diamond.jp/articles/-/326029

フォレストクイズ25⑦

2025年7月2日

第7回目のフォレストクイズ25です。今日・7月2日は一年が365日の年のちょうど真ん中にあたる日です。とはいっても、年度の始まりは4月ですし、受験生活のスタートするタイミングを考えると、フォレスト生の皆さんにとっては「折り返し」の実感はないかもしれませんね。昨日の7月1日は暦における特別な日の一つ「半夏生(はんげしょう)」でもありました。毎年7月2日頃に来る半夏生は、「半夏」とも呼ばれる草「カラスビシャク」が生える頃で、梅雨が終わって田植え作業も終わりを迎える目安にもなっていました。近畿地方ではタコを食べる風習が残っていますが、タコはアミノ酸の一種・タウリンを豊富に含み夏バテ防止に良いとされるため、この時期に食べるのは理にかなっています。

さて、今回のフォレストクイズは科学に関する本について出題します。

Q.中学生でも読めて、見て楽しめる科学雑誌をコンセプトに、分かりやすい説明と多くの写真・イラストで支持を集める、地球物理学者の竹内均(たけうち・ひとし)が1981年に創刊した科学雑誌は何?

 

~答えは下にスクロール~

 

A.『Newton(ニュートン)』

今日・7月2日は竹内均(1920-2004)さんの生誕日です。竹内氏は地球物理学者としては「地球の潮汐」に関する研究などで知られ、東京大学の教授としても活躍しましたが、その東大の退職後に創刊したのが雑誌『Newton』でした。竹内氏はアメリカの科学雑誌『ナショナルジオグラフィック』を参考に、綺麗な写真やイラスト・分かりやすい文章を用いた信頼性の高い科学雑誌を目指してこの『Newton』を創刊、同誌は現在日本で最も多く発行されている科学雑誌(約8万部)となっています。

竹内氏は同誌のみならず、多くの著作を残し、メディアに多く出演するなど、科学知識の社会啓蒙活動に努めていきました。地震大国の日本にあって、まだあまり知られていなかったプレートテクトニクスの理論を積極的に広めていった功績もあります。実は、竹内氏が学んだ坪井忠二氏は、「天災は忘れた頃に(やって)来る」でおなじみの地球物理学者・寺田寅彦(てらだ・とらひこ)氏の弟子にあたります。つまり竹内氏は寺田氏の孫弟子なのです。竹内氏は子供のころに寺田氏の著書を読み科学への興味を深めた過去があります。寺田氏が関東大震災の頃に啓蒙活動に励んでいたのと同じく、竹内氏は阪神淡路大震災の際に多くの情報発信を行いました。寺田氏の思いが竹内氏に繋がっていった、ということでしょうか。ちなみに、寺田寅彦氏については過去のフォレストクイズでも取り上げていますので、是非そちらもご覧ください!(→フォレストクイズ⑬

どんどんと暑くなっていく中ですが、くれぐれも熱中症には気を付けて、体調管理を怠らずに夏を乗りこえていきましょう!この夏の頑張りでライバルたちに差をつけるつもりで、頑張れフォレスト生!

メディカルフォレスト上山

(次回のフォレストクイズ更新は7/14の予定です。)

出典

コトバンク 竹内 https://kotobank.jp/word/%E7%AB%B9%E5%86%85%E5%9D%87-1088410#w-1648592                                『Newton』について https://adv.asahi.com/media/education/15131326          寺田氏との関係について①                      https://www2.nhk.or.jp/archives/articles/?id=D0009250060_00000                    寺田氏との関係について② https://www.google.co.jp/books/edition/%E5%9C%B0%E7%90%83%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%81%AE%E5%A4%9A%E9%87%8D%E6%80%9D%E8%80%83/nx0yAQAAIAAJ?hl=ja&gbpv=1&bsq=%E7%AB%B9%E5%86%85%E5%9D%87%E3%80%80%E5%AF%BA%E7%94%B0%E5%AF%85%E5%BD%A6&dq=%E7%AB%B9%E5%86%85%E5%9D%87%E3%80%80%E5%AF%BA%E7%94%B0%E5%AF%85%E5%BD%A6&printsec=frontcover

コトバンク 半夏生 https://kotobank.jp/word/%E5%8D%8A%E5%A4%8F%E7%94%9F-117974#goog_rewarded                                 タコと夏バテ https://alinamin.jp/tired/natsubate-meal.html

フォレストブログ25⑥

2025年6月20日

第6回目のフォレストブログ25です。今日・6月20日は薬学者・長井長義(ながい・ながよし)の旧暦における生誕日(弘化2年6月20日生まれ、新暦では1845-1929)です。日本初の薬学博士である長井は、漢方の成分などを調べる中で植物の麻黄(まおう)からエフェドリンという成分を発見、これは後に喘息の治療に用いられることとなります。また、数多くの教育機関設立にも携わり、設立に尽力した日本女子大学では多くの女性科学者を育てるなど女子教育でも功績を残しています。

さて、今回のフォレストクイズでは日本における「がん治療」に関する問題を出題します。

Q.2019年に保険診療として開始し、今年3月末で登録患者数が10万件を超えた、がん患者の治療法の検討に用いる、がん細胞におきている遺伝子の変化を調べる検査のことを何という?

 

~答えは下にスクロール~

 

A.がん遺伝子パネル検査

がんは主に何らかの原因で遺伝子に傷が付くことで正しく働かなくなり、「がん細胞」化することで発症します。そうしたがん細胞のゲノム(遺伝情報)を調べ、どの遺伝子に変化が起こっているのか、どのような性質のがんなのか、どのように治療を進めていくかを判断していく医療を「がんゲノム医療」と総称し、現在の保険診療で受けられる「がんゲノム医療」の一つが「がん遺伝子パネル検査」です。「がん遺伝子パネル検査」を保険診療で受けられる病院は「がんゲノム医療中核拠点病院」「がんゲノム医療拠点病院」「がんゲノム医療連携病院」に指定された病院で、その数は2025年4月1日時点で250を超えています。また、「遺伝」に関する情報を患者が理解するための場として「遺伝カウンセリング」の実施も行われています。がん患者の中には生まれ持った遺伝子の特徴によりがんになりやすい体質の人「遺伝性腫瘍」である方もいますが、そうした場合などには家族と一緒に遺伝カウンセリングを受けることも可能となっています。

こうして集められたデータが今年3月末に10万件を超えました。これらのデータは現行のがん診療がどのようなものであるかを映すとともに、データベースとして学術研究や医薬品開発に役立てられています。ただし、現在のがん遺伝子パネル検査にはまだまだ課題が残されています。検査を受けても治療につながる情報が得られないことももちろんありますが、個々の遺伝子異常に対応した薬がない場合や、あっても日本では承認されていない場合などもあり、現状、がん遺伝子パネル検査が治療に直接結びついた例は10~15%ほどとのことです。現在の日本では、海外で用いられる新薬の承認が遅れたり、開発の見込みが立たなかったりする「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス」という問題があります。こちらについては過去にフォレストクイズで取り上げていますのでそちらもご覧ください。(→フォレストクイズ⑳)これからの日本社会において避けては通れない「がん治療」という問題が、どのように進展していくのか、我々も注視していきたいですね。

さて、来週からは夏期タームが始まります。前期タームの勉強はしっかりと進みましたか?やり残してしまっている部分をしっかり消化して次に進んでいきましょう!暑さ対策も万全に!頑張れフォレスト生!

メディカルフォレスト上山

(次回のフォレストクイズ更新は7/2の予定です。)

出典

国立がん研究センター https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2025/0508/index.html がん遺伝子パネル検査 https://for-patients.c-cat.ncc.go.jp/knowledge/cancer_genomic_medicine/panel_test.html

コトバンク 長井 https://kotobank.jp/word/%E9%95%B7%E4%BA%95%E9%95%B7%E7%BE%A9-107561#goog_rewarded                                 長井の生涯について https://www.chemistry.or.jp/know/doc/isan024_article.pdf

フォレストクイズ25⑤

2025年6月8日

第5回目のフォレストクイズ25です。6月に入り、徐々に蒸し暑さ、ジメジメ感が強まっていく時期となりました。湿度が高いと体力も奪われますし、気持ちも落ち込みがち。気温も上下が激しく、気圧も含めて体調の管理が難しいですね。そんな中でも健康を保ちながら勉強を続けていくため、衛生的な環境の維持は欠かせません。部屋を綺麗に掃除し、手洗いうがいを心掛けて健康を維持していきましょう。スタッフも校舎の清掃を頑張っていきます!

さて、毎年6月は「プライド月間」です。性的マイノリティ(性的少数者)の人々のコミュニティ・文化を祝い、その権利を主張していくための運動で、1969年6月にニューヨークのバーで発生した「ストーンウォールの反乱」という出来事に由来して6月に設定されています。昨日・6月7日と今日・6月8日には東京の代々木公園で「Tokyo Pride 2025」(昨年までは「Tokyo Rainbow Pride」のイベント名で毎年4月に開催)という、性的マイノリティ、ならびに様々な人権に関する課題について考える大規模イベントが行われています。

そこで、今回はそんな「プライド月間」に関連する問題を出題します。

Q.英語で「同盟・仲間」という意味がある、性的マイノリティの人権擁護の立場を取り、その味方として行動する人のことを指す言葉は?

 

~答えは下にスクロール~

 

A.「アライ(Ally)」

一般に性的マイノリティに関する文脈で「アライ」という場合は「自身は性的マジョリティ(性的多数者)である人」のことを指すことが多いです。「ジェンダーアライ」などということもあります。

性的マイノリティと「医療」は切っても切り離せない関係性にあります。歴史を振り返れば「同性愛」はアメリカ精神医学会による診断基準「DSM」に診断名として掲載されたのち、同性愛者解放運動の結果リストから削除された過去があります。日本では同性カップルが婚姻できず法的な家族になれないがために、パートナーの医療に関して意思決定に関われず、入院時のお見舞いにも行けなかったり最期を看取れなかったりすることがあります。また、「トランスジェンダー」と呼ばれる人々が自認する性として生きるにあたり、ホルモン治療や性器の手術などの医療的介入が必要になることも多いです。更には、性的マイノリティは性的マジョリティに比べ、精神的健康に関する問題を抱えやすいのではないかともされています。これらから、医療は性的マイノリティに様々な観点から深くかかわっていることが分かるかと思います。

過去の調査の結果から、日本において性的マイノリティが医療従事者への不信感を抱くような経験をした割合が、性的マジョリティよりも多いことが分かっています。また、性的マイノリティが医療従事者に対し求める要望として「パートナーを家族として認めてほしい」「医療関係者のLGBTQ+への理解向上」「性別欄の必要性を常に考えて欲しい」など様々な意見が上がっています。つまり、性的マイノリティは病院などに行くにあたっても性的マジョリティとは異なった困難が様々にあると言えます。ですから、性的マイノリティについて理解を持った「アライ」の医療関係者が少しでも多くなることが望まれます。

メディカルフォレストでは、次の土曜日・6月14日には前期タームが終了し、6月16日には第2回実力テストがあります。一区切りも目前ですね。体調管理には気を付けて、頑張れフォレスト生!

メディカルフォレスト上山

(次回のフォレストクイズ更新は6/20の予定です。)

出典

プライド月間について https://tokyorainbowpride.org/news/20241128/3483/                        Tokyo Pride 2025 https://pride.tokyo/                              同性愛とDSM https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20160218-OYTET50047/          同性カップルと病院 https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20151008-OYTEW55237/       トランスジェンダーの「治療」 https://www.gid-mcclinic.com/                            性的マイノリティと精神的健康 https://www.gid-mcclinic.com/lgbt-depression/                      性的マイノリティと医療機関 https://www.businessinsider.jp/article/271213/

フォレストクイズ25④

2025年5月27日

第4回目のフォレストクイズ25です。今日・5月27日は生物学者のレイチェル・カーソン(1907-1964)の誕生日です。農薬としての「DDT」などの化学物質使用の危険性を訴え、農業と環境という問題に触れた著書『沈黙の春』はベストセラーになりました。彼女は世界恐慌の影響で大学院での博士号取得を諦めざるをえませんでしたが、優れた文筆の才能と自らの研究分野の知識を発揮し、様々な自然に関する著書を残しています。

さて、今回は医学史に多大な業績がある人物について問題を出題します。

Q.第1回ノーベル生理学・医学賞を受賞したエミール・ベーリングや、ペスト菌の発見などで知られる北里柴三郎など多くの弟子を育てた、炭疽菌、結核菌、コレラ菌の発見などで知られるドイツの医学者は誰?

 

~~~答えは下にスクロール~~~

 

A.,ロベルト・コッホ
ロベルト・コッホは1910年の今日・5月27日に亡くなった、「細菌学の父」とも称される医学者です。なお、「細菌学の父」はルイ・パスツールのことも指すことがあり、パスツールは過去のフォレストクイズにて取り上げていますので是非そちらもご覧ください!(→ フォレストクイズ⑨
コッホの業績のとしては、まずは炭疽菌、結核菌、コレラ菌といった病原体の発見があげられます。特に結核菌の発見、ならびにツベルクリン(当初は結核の特効薬として発表され、後に結核の感染有無を判断するために利用される)の創製など結核に関する研究では1905年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。また、結核菌の発見に先立つ炭疽菌の発見においては、炭疽菌という細菌が病原体であるということを証明し、「ある細菌がある病気の病原体であること」を証明するための諸原則を発表しています。更に細菌の純粋培養法の確立など、細菌学の手法を数々生み出しており、その貢献は図り知れません。
そして、コッホはまた多くの弟子を育てました。先述したベーリングは北里と共に血清療法を確立し、北里は破傷風菌の純粋培養やペスト菌の発見で知られていますが、他にも病気の「化学療法(化学物質により病気の原因となる微生物などの増殖を止め、駆逐することを目的とする)」を考案しています。また、秦佐八郎と共に梅毒の特効薬「サルバルサン」を創製したパウル・エールリヒや、クレープスと共にジフテリア菌を発見すると共に「口蹄疫ウイルス」を発見しウイルス学に貢献したフリードリヒ・レフラー、寒天培地の容器として用いた「シャーレ」の別名に名を残すユリウス・リヒャルト・ペトリなど本当に多くの弟子が活躍しています。後継者の育成という観点でも「細菌学の『父』」といえるかもしれませんね。なお、北里柴三郎もまた過去にこのフォレストクイズにて取り上げていますので是非そちらもご覧ください!(→フォレストクイズ⑭

現代では当たり前のものとして認識されている医学的な見地も、過去の偉人たちが築いた礎の上に成り立っています。フォレスト生の皆さんも未来に向けてバトンを渡す存在となるため、今日も一日はりきっていきましょう!手洗いうがいは忘れずに!頑張れフォレスト生!

メディカルフォレスト上山

(次回のフォレストクイズ更新は6/8の予定です。)

出典

コトバンク コッホ https://kotobank.jp/word/%E3%81%93%E3%81%A4%E3%81%BB-1535191ペトリ皿の考案者・ペトリ https://www.google.co.jp/books/edition/%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9VS%E3%83%92%E3%83%88_%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E3%81%AF%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%81%AA/ApCOEAAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%9B%E3%80%80%E3%83%9A%E3%83%88%E3%83%AA&pg=RA2-PA11&printsec=frontcover

コトバンク カーソンhttps://kotobank.jp/word/%E3%81%8B%E3%83%BC%E3%81%9D%E3%82%93-3148340#w-1521285
カーソンと博士号 https://mainichi.jp/maisho/articles/20240515/kei/00s/00s/005000c

フォレストクイズ25③

2025年5月15日

第3回目のフォレストクイズ25です。今日・5月15日は様々なものの記念日となっていますが、その中でも身近なものに関する記念日というと、「ヨーグルトの日」と「ストッキングの日」でしょうか。それぞれヨーグルトが健康に寄与すると考え研究を行ったイリヤ・メチニコフ(細胞性免疫の研究で先駆者となったことで高名)の誕生日であることと、デュポン社が開発したナイロン(世界初の合成繊維)を用いたストッキングが発売されたに因みます。生物や化学の勉強の息抜きにヨーグルトを食べてみるのはいかがでしょうか?

さて、今日は医学史に関わる一人の女性についてクイズを出題します。

Q.井深八重(いぶか・やえ)が婦長を、レゼー神父が院長を務めた静岡県御殿場市の「神山復生(こうやまふくせい)病院」といえば、かつてどんな病気の療養所として知られた施設?

~~~答えは下にスクロール~~~

A.ハンセン病
今回取り上げるのは、1989年の今日・5月15日に91年の生涯に幕を下ろした井深八重という看護師です。
神山復生病院は1889年開業と日本最古のハンセン病療養施設とされており、現在も病院として続いている施設です。ハンセン病といえば、「らい菌」の感染により発症する病気で、感染時の見た目などに特徴があり、「強い感染力を持つ」というデマと共に強い偏見にさらされたことで知られています。
1919年、ハンセン病にかかった疑いでこの神山復生病院に入院することとなったのが井深八重という女性でした。井深八重は父方の親戚であった名家・井深家(ソニーの創業者である井深大もこの家の出身)に預けられ、現在の同志社女子大学を卒業した後に教師となりますが、皮膚の症状からハンセン病の疑いがあるとして神山復生病院に隔離入院に。どん底にいた井深を救ったのが、当時神山復生病院の院長を務め、献身的に患者を看護していたレゼー神父です。皮膚の症状が快復していく井深を見てレゼー神父が再受診を勧めると、井深はハンセン病ではなかったことが分かりました。そして、井深はレゼー神父とともに神山復生病院で働くことを決意、看護学校を卒業して看護師として病院に戻ってきたのです。それから井深は、厳しい環境に置かれながらもハンセン病患者のために献身を続け、その生涯を同病院での看護に捧げました。1959年にはローマ教皇・ヨハネ23世から聖十字勲章(Pro Ecclesia et Pontifice)を、1961年には国際赤十字からナイチンゲール記章(看護に功労のあった人物に贈られる)を授与されるなど、その活動は世界的にも評価されています。

5月も半ばになりましたが、フォレスト生の皆さんは勉強や生活のリズムを作ることが出来ているでしょうか。皆さんの学習計画が順調に行くように祈っています!頑張れフォレスト生!

 

メディカルフォレスト上山

(次回のフォレストクイズ更新は5/27の予定です。)

出典

井深八重の生涯について① https://ifsa.jp/index.php?Gibukayae
井深八重の生涯について② http://www.jcna.info/nursingandcatholic.html
コトバンク ハンセン病
https://kotobank.jp/word/%E3%81%AF%E3%82%93%E3%81%9B%E3%82%93%E7%97%85-3163832

ヨーグルトの日 https://news.nissyoku.co.jp/today/644702
ストッキングの日 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO70978370V10C23A5KNTP00/?msockid=3481fe5aaa536e9133e9edb6ab2b6f60

フォレストクイズ25②

2025年5月3日

第2回目のフォレストクイズ25です。世間はゴールデンウィーク真っただ中ですが、フォレスト生にとっては河合の共通テスト模試が行われることもあり、受験生活の日常の中の一日、という感じかもしれませんね。模試は今の自分を見つめるいい機会。苦手が何かをハッキリさせて、克服に向けて計画を立てていきましょう。

さて、今回のフォレストクイズは現在(2025年5月)流行している病気についての問題です。

Q.乳幼児期に受ける「五種混合ワクチン」により予防できるものの、効果は小学生頃に薄れてしまうため注意が必要である、「長期間にわたり咳が続く」ことから名が付いた病気は何?

~~~答えは下にスクロール~~~

A.百日咳

今年の春、百日咳の流行が続いています。コロナ禍以降は減少していた患者数はコロナ禍前の水準を超えており、ピークが見えていません。また、従来の薬に耐性を持った耐性菌によるものも少なくないため、治療にも困難が生じています。
百日咳は、その名の通り長期にわたり咳が続く病気です。普通の風邪のような病状が見られる「カタル期」の後、咳がひどくなる「痙咳期」がやってきます。この時期には「小さく激しい咳が息継ぎもできないほど短時間に繰り返され、その終わりに息を吸う時にヒューという笛のような音が出る」という症状が繰り返されます。息継ぎが難しいため顔が赤くなり、唇にチアノーゼ(酸欠のため皮膚などが青紫色になる現象)が見られることもあります。やがて咳の頻度は減り「回復期」へと向かっていきますが、回復期が2~3か月程度続くこともあります。
成人にもなれば百日咳は重症化することは少なく、「咳が続く風邪っぽい症状」として見過ごされてしまうこともありますが、乳幼児においては痙咳期に咳の代わりに無呼吸になっていまい、酸欠などを起こして重症化することも少なくありません。よって、乳幼児と接する機会が多い人は更なる注意が必要となります。重症化しやすい乳幼児への感染を防ぐために「五種混合ワクチン」の定期接種が可能となっていますが、このワクチンによる百日咳の予防効果は、小学校の頃には薄くなってしまいます。そのため、小学校就学前や高学年時にワクチンの追加接種も推奨されています。補足ですが「五種混合ワクチン」について解説を加えると、元は「ジフテリア・百日咳・破傷風」の「三種混合ワクチン」、2012年からは「ポリオ」を加えた「四種混合ワクチン」が接種されていましたが、2024年から「Hib(ヒブ、インフルエンザ菌b型)」を加えた「五種混合ワクチン」が定期接種可能となっています。
百日咳は飛沫感染が主な感染経路で、やはり予防として大事なのは「手洗いうがい・手指消毒、マスクの着用」のようです。他の病気の予防とあわせて意識していきたいところですね。

浮かれ気分な街中にあっても、自分のペースを貫いて勉強を続けていく。そんなブレない気持ちを作って、この一年間を駆け抜けていきましょう!頑張れフォレスト生!!

メディカルフォレスト上山

(次回のフォレストクイズ更新は5/15の予定です。)

出典
百日咳感染者拡大について https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250422/k10014785791000.html
百日咳に関する解説 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/2d7c3cbb180148fca0d6eb57a568d4954b80c39e
コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E7%99%BE%E6%97%A5%E5%92%B3-120971#w-1199165

フォレストクイズ25①

2025年4月21日

皆さんこんにちは。昨年(2024年)から始まった「フォレストクイズ」は2025年度のフォレストブログでも更新していきます!「フォレストクイズ」とは、ニュースで耳にするホットな科学に関する話題や、更新日に関係する科学史上の出来事などをクイズ形式で取り上げるシリーズ企画です。しばらくはおよそ2週間間隔で更新していきますので、ぜひ楽しみにしてください!
さて、今年度のフォレストクイズのスタートは将来の医学に大きくかかわるであろう話題から。

Q.今月(2025年4月)中にも全自動で製造する施設が稼働する予定である、患者自身の細胞から作られ、拒絶反応なく移植できる「iPS細胞」のことを何という?

~~答えは下にスクロール~~

A.自家iPS細胞(my iPS細胞)

他人の臓器を移植する際、移植された臓器を異物だと認識して排除しようとしてしまう体の反応を「拒絶反応」などと言います。人間の免疫反応として自然なことではあるのですが、これでは臓器移植が失敗してしまいます。
「iPS細胞」は人間の体細胞に少数の遺伝子因子を導入して、ほぼ無限の増殖能力と様々な組織・臓器の細胞に分化する能力を得た「人工多能性幹細胞」のことで、様々な医療技術への応用が期待されていますが、一方で他人の細胞から作られたiPS細胞では変わらず拒絶反応の問題は残されていました。「HLA(ヒト白血球型抗原)型」と呼ばれる血液を持つ人から作られた「拒絶反応が起こりにくいiPS細胞」の研究も進んでいますが、「患者自身の細胞から作られたiPS細胞=自家iPS細胞(my iPS細胞)」の研究が進めば「拒絶反応は起こらないはず」ということでその実用化が期待されています。
これまでiPS細胞は手作業で製造を行っており、その分時間と費用がかかってしまっていました。現状ではある患者からiPS細胞を製造するためには数カ月、数千万円というコストがかかるそうです。この問題を解決すべく2019年に設立されたのが「iPS財団」であり、「my iPS細胞プロジェクト」です。その目的は「年間1000人分の細胞を製造可能で、1人分100万円程度で提供する施設の、2025年3月ごろの実用化」です。そしてその実現のために、全自動での閉鎖型培養装置で細胞を製造する技術を導入してコストを下げることとしました。これらの施設での製造許可が降りれば、今月中にも稼働が開始、早ければ2028年には臨床試験が開始されます。

先日には初めて糖尿病患者にiPS細胞を用いた膵臓組織を移植する手術が日本国内で行われ、その経過は良好と発表されているほか、iPS細胞を用いたパーキンソン病の治療法に有効性が認められたという治験結果が出るなど、iPS細胞関連のニュースが続いています。iPS細胞が将来の医療を大きく変えることとなるのか。非常に楽しみですね!

さて、新生活が始まり、そろそろ疲れを感じてくる頃ではないでしょうか。これから続く長丁場を乗り切るために、自分にとって合う息抜きの方法を見つけるのも鍵です。上手くリフレッシュしながら良い習慣づけをしていきたいですね!手洗いうがいをはじめ、体調管理は忘れずに!!
頑張れフォレスト生!!

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

(次のフォレストクイズ更新は5/3の予定です。)

出典
iPS細胞について
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/faq/faq_ips.html

my iPS細胞プロジェクトについて
https://www.cira-foundation.or.jp/j/about/project/myips/

my iPS細胞プロジェクトに関するニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/70bca2b54a2a4e77fef79e000c8d7185589ef85f

iPS細胞を用いた糖尿病治療に関するニュースhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF142ZG0U5A410C2000000/?msockid=3481fe5aaa536e9133e9edb6ab2b6f60

iPS細胞を用いたパーキンソン病治療に関するニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20250417/k10014781301000.html