フォレストクイズ」カテゴリーアーカイブ

フォレストクイズ⑩

2024年11月16日

第10回目のフォレストブログです。記事の更新日である11月16日は例年「東京都エイズ予防月間」のスタート日となっています。これは12月1日がWHOの定める「世界エイズデー」であり、これを中心とする1か月を予防月間としているためです。そこで今回はエイズにまつわる近年注目のワードについて出題します。

Q.「HIVに感染しても、HIVの増殖を抑えた状態を維持すれば、性行為によって他人に感染させることはない」ということを示す、同じアルファベットを2回用いた表現は「何=何」?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.「U=U」

エイズの原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、現代の医学では一度感染すると体内から完全に取り除くことはできません。しかしながら体内でHIVが増殖しないように治療を続けると、1~6か月ほどで血液検査によってもHIVを検出できない量にまで抑え込むことができます。この状態を6か月以上維持すれば、性行為によって相手にHIVを感染させることはない、ということが近年の研究により分かってきました。このことを端的に伝えるのが「U=U」というフレーズです。これは、HIVを検出できないレベルを維持し続けた状態を意味する「Undetectable(検出限界値未満)」と、感染させないことを意味する「Untransmittable」の略からきています。

エイズの発見からエイズ感染者は様々な偏見に晒されてきましたが、「U=U」の認知度が上がれば、エイズに対する社会的偏見を薄れさせられると共に、感染してしまった人々がより医療にかかりやすくなり、当人とそのパートナーにとってより良い人生を歩むことができるようになるのではないか、と期待されます。まだまだ一般知名度は低いですが、これからの一般常識になっていってほしいですね。

 

11月も折り返し。冬が近づいてきて、今度はインフルエンザの流行が本格的になってきている様子。手洗いうがいは受験にマスト!健康にラストスパートを駆け抜けてほしいです。頑張れフォレスト生!

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

(次のフォレストクイズ更新は11/23更新の予定です。)

出典

東京都 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/aids/yobo_gekkan/whats_yobo_gekkan.html

U=U  Japan Project  https://hiv-uujapan.org/summary/

フォレストクイズ⑨

2024年11月14日

第9回目のフォレストクイズです。この記事が更新される11月14日は医学の世界で大きな意味を持つ出来事がいくつも起こった日なんです。そこで今日は贅沢に問題を3問も出題します!

Q1.毎年11月14日には「この病気」の啓発のために建物が青くライトアップされる、近年の日本では英語表記の「ダイアベティス(diabetes)」という呼称を用いる動きが進む病気は何?

Q2.1901年11月14日、現在も利用されている「ABO式血液型」のもととなる論文を発表した科学者は誰?

Q3.これまでにポリオワクチンの開発やエイズウイルスの発見など様々な功績を上げている、1888年11月14日にパリに設立された、ある科学者の名を冠した研究所は何?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A1.糖尿病

11月14日は糖尿病治療に用いられるインスリンを発見した科学者フレデリック・バンティングの誕生日に因んで「世界糖尿病デー」とされています。青い丸の「ブルーサークル」がシンボルマークとなっており、これに因んで世界中の建物が青色にライトアップされます。今年(2024年)の東京では渋谷ヒカリエなどがライトアップされるそうです。なお、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は「糖尿病」という言葉を用いることによる偏見を避けるため英語表記の「ダイアベティス」という呼称を用いる運動を進めています。

A2.(カール・)ラントシュタイナー

ラントシュタイナーは人の血清に他人の赤血球を混合させたときに凝固する場合としない場合があることに気付き、現在のABO式血液型のもととなる分類を考案しました。これにより輸血の成功率は大きく上がりました。ラントシュタイナーは後に助手と共にRh血液型も発見しています。

A3.パスツール研究所

(ルイ・)パスツールといえば、コレラや狂犬病のワクチンを開発した人物で、パスツール研究所は狂犬病のワクチン開発を記念して公衆衛生のための民間組織として創設されました。最近ではエボラ出血熱のウイルスを発見した功績があります。またパスツールは「生命の自然発生説の否定」や「低温殺菌法の開発」など他にも様々な功績で知られています。

今回は3問出題しましたが、皆さんは何問正解できましたか?

 

校舎にいると、少しずつ生徒さんの醸す空気感が変わってくるのを感じます。出願など受験に向けての準備が整ってきているためでしょうか。気持ちが追い込まれそうな日々を乗り越えて、元気に日々を送れることを祈るばかりです。頑張れフォレスト生!

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

(次のフォレストクイズ更新は11/16更新の予定です。)

出典

世界糖尿病デー公式 https://www.wddj.jp/01_howto.htm

日本糖尿病協会 https://www.nittokyo.or.jp/modules/about/index.php?content_id=46

現代ビジネス ブルーバックス編集部 ラントシュタイナー https://gendai.media/articles/-/76819

日本赤十字社 兵庫県赤十字血液センターhttps://www.bs.jrc.or.jp/kk/hyogo/donation/m2_02_01_00_bloodtype.html

現代ビジネス ブルーバックス編集部 パスツール研究所  https://gendai.media/articles/-/68299

コトバンク ラントシュタイナーhttps://kotobank.jp/word/%E3%81%B1%E3%81%99%E3%81%A4%E3%83%BC%E3%82%8B-3164756

フォレストクイズ⑧

2024年11月11日

第8回目のフォレストクイズです。最近ニュースで「闇バイト」という言葉をよく耳にします。SNS上で募集されたり、時には一般的な求人との見分けがつかない状態で募集されたりして、詐欺や強盗などの犯罪行為に加担させられてしまう闇バイト。一度巻き込まれると犯罪組織に弱みを握られ利用され続け、最後に逮捕されれば犯罪組織から見放されて人生を台無しにしてしまう、そんな恐ろしい闇バイトは、決して我々の生活から遠いところにある存在ではないようです。そこで今回はこんな問題。

Q.犯罪や事故にあたるかは分からないものの警察に相談したい時にかける、シャープから始まる電話番号は「#いくつ?」

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.#9110

生活しているなかで悪質商法やストーカーなどの被害に遭っているかもしれない、といった時などに相談する「警視庁総合相談センター」に電話をかけられるのが#9110。闇バイトに巻き込まれてしまったかもしれない、という時の窓口としても想定されており、警察は闇バイトに巻き込まれそうになった人を保護することを方針として示しています。

他にもシャープから始まる4桁の電話番号サービスには以下のようなものがあります。

#7119→救急安心センター:「救急車を呼ぶべきか」「病院に行くべきか」を相談したい時にかける

#9910→道路緊急ダイヤル:「道路に穴ぼこがある」など道路の異変があった時にかける

#8008→DV相談ナビ:配偶者などからの暴力に悩んでいる時にかける

#8103→性犯罪被害相談電話:性犯罪の被害に遭った場合に警察の相談窓口に繋がる

#8891→性犯罪・性暴力者ワンストップ支援センター:性犯罪・性暴力に関するワンストップの支援センターに繋がる

これらの数字は覚えていなくとも、こうした電話窓口があることを覚えておけば、いざという時に役立つかもしれませんね。

11月も中旬に入りました。関東地方は朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。身体をしっかり温めて冷えに負けないよう努めていきましょう。頑張れフォレスト生!

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

(次のフォレストクイズ更新は11/14更新の予定です。)

出典

警視庁 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/drug/yami_arbeit/ban_yamiarbeit.html

NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241025/k10014619401000.html

消防庁 https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html

国土交通省 https://www.mlit.go.jp/road/dia/

男女共同参画局 https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/dv_navi/

https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/avjk/consultation.html

フォレストクイズ⑦

2024年11月2日

第7回目のフォレストクイズです。10月27日に投開票が行われた衆議院選挙の結果、与党の自民党・公明党の議席数が過半数(衆議院の現在の定数は465議席なので過半数は233議席)を下回る215議席にとどまることとなりました。政権交代となるのか、それとも。今後の動向が注目されます。もし政権交代となると、10月1日に首相に就任した石破茂氏は在任期間が史上最短の首相となることも想定されます。そこで問題です。

Q.第二次大戦終戦直後に首相に就任し、首相在任期間54日は歴代首相の中で最短である、史上唯一の皇族首相は誰?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.東久邇宮稔彦王(ひがしくにのみや・なるひこおう)

終戦直後の混乱の中で戦後処理を進めるべく皇族の権威を利用することとなり、皇族で軍人だった東久邇宮稔彦王が首相に就任したのが1945年8月17日のこと。降伏文書への調印や軍の解体などの戦後処理を進めていきましたが、GHQが出した「人権指令」と呼ばれる民主化のための指令に対応することができず、これを直接の原因として同年10月9日に内閣は総辞職。首相在任期間は54日間でした。東久邇宮稔彦王は1947年に皇籍を離脱し東久邇稔彦と名を改め、1990年に102歳で亡くなるまで度々世間を賑わせる存在となるのですが、それはまた別のお話、ということで。

 

選挙権を有していた生徒さんは今回の選挙に投票したでしょうか。勉強に忙殺されて投票に行かなかった、という生徒さんもいるかもしれませんが、将来は必ず一票を投じる有権者になってほしいです。今回の選挙の投票率は53.85%で、前回(55.93%)を下回り戦後3番目の低さだったとのことです。

冬に近づくにつれて乾燥が気になってきますね。部屋の換気と手洗いうがいで元気に過ごしていきましょう!頑張れフォレスト生!

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

(次のフォレストクイズ更新は11/11更新の予定です。)

 

出典

コトバンク https://kotobank.jp/word/%E6%9D%B1%E4%B9%85%E9%82%87%E7%A8%94%E5%BD%A6-119101

https://kotobank.jp/word/%E6%9D%B1%E4%B9%85%E9%82%87%E7%A8%94%E5%BD%A6%E5%86%85%E9%96%A3-862954

https://kotobank.jp/word/%E4%BA%BA%E6%A8%A9%E6%8C%87%E4%BB%A4-3132350

NHK

https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/shugiin/

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241027/k10014620851000.html

フォレストクイズ⑥

2024年10月31日

第6回目のフォレストクイズです!今回はタイムリミットが迫ってきている「あるもの」についての問題を出題します。

 

Q.平成9年度から19年度生まれで接種の機会を逃した女性に対する「キャッチアップ接種」が現在行われている、子宮頸がんなどをはじめとする病気に関わるウイルスの感染を予防するワクチンは「何ワクチン」?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.HPVワクチン

 

HPV、ヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus)は子宮頸がんや尖圭コンジローマなど多くの病気の発生に関わっており、HPVワクチンはその感染予防のために小学6年生から高校1年生の女性に対して定期接種が行われています。しかし、かつてHPVワクチンの安全性に疑問が呈された時期があったために、その接種の機会を逃した世代がおり、有効性や安全性が確認された現在、その世代を対象に「キャッチアップ接種」という無料で受けられる予防接種が実施されています。記事の冒頭で「タイムリミット」と言ったのは、このキャッチアップ接種が行われるのが2025年の3月末までだから。この接種は3回受ける必要があり、厚生労働省によると4価や9価のワクチンであれば4か月ほどの期間で3回の接種が可能とのことで、11月末までに最初の接種を終わらせればキャッチアップ接種の期間内に間に合う、との見解が示されています。

さて、このHPVワクチンの定期接種やキャッチアップ接種は女性を対象としていますが、HPVワクチンは男性にも有効なワクチンであることも重要事項です。HPVは性的接触によって感染することが多いため、男性から女性に感染することも多々あり、性別に関係なく感染する病気・性感染症にも関係しているため、男性にとってもワクチン接種は重要といえます。ですが現在の日本ではほとんどの場合、男性がHPVワクチンを打つには全額自己負担で数万円を支払わなければならないため、そのハードルは高いと言わざるを得ません。そもそもHPVワクチンが男性にとっても有用であることそのものがあまり知られていないという実態もあります。この点については、これからの啓蒙活動が重要になってきそうです。

 

明日からは11月。徐々に冬めいてくる時期を迎えました。空気が乾燥してくる時期だけに手洗いうがいは余計に欠かせなくなってきますね。皆が無事に過ごせますように。頑張れフォレスト生!

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は11/2の予定です。)

 

出典

 

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_catch-up-vaccination.html

NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241012/k10014607781000.html

https://www.nhk.or.jp/minplus/0119/topic025.html

フォレストクイズ⑤

2024年10月28日

第5回目のフォレストクイズです!今回は近頃ニュースを騒がせる「ある病気」を出題します。

 

Q.かつては4年周期で流行っていたため「オリンピック病」などと称されることもあった、パリ五輪開催の今年(2024年)夏から秋にかけて全国の患者数が急増している病気は何?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.マイコプラズマ肺炎

 

 

「肺炎マイコプラズマ」という細菌によって感染するマイコプラズマ肺炎は、比較的若い世代の人から子どもがよくかかる感染症です。空咳が症状としてみられ、飛沫感染などによりうつり、秋や冬に比較的増加する傾向にあります。

国立感染症研究所によると、マイコプラズマ肺炎は仙台市で1964年から1976年まで4年おきの流行がみられたこともあり、かつての日本では「オリンピック病」の通称が知られるようになりました。海外でも数年おきに流行する傾向にあるようです。そして、パリ五輪が開催された今年・2024年の日本においては、1999年に現在の統計方法に変わってから最多となる患者数を記録しています。

 

対策はいわゆる「風邪」と同じように、手洗いうがいの徹底や換気の実施、マスクの着用などが有効なようです。更には「夏風邪」であるはずの「手足口病」も季節外れの流行の兆しも。勉強に日々集中しているとついつい健康のことが後回しになってしまうかもしれません。病気にかかってしまう前に万全の対策を行っていきましょう。頑張れフォレスト生!

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は10/31の予定です。)

 

出典

国立感染症研究所 https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2618-related-articles/related-articles-527/12489-527r05.html

NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241022/k10014615821000.html

読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/medical/20241024-OYT1T50044/

フォレストクイズ④

2024年10月22日

第4回目のフォレストクイズです!今回は記事の更新日である「10月22日」にちなむ問題を出題します。

 

Q.シーグリーン色のリボン「ISADリボン」がトレードマークとなっている、ある症状についての理解と啓発を目的とした国際的な日は「国際『何』啓発の日」?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.「国際吃音啓発の日(International Stuttering Awareness Day)」

国際吃音啓発の日には吃音などの言語障害について人々の理解と啓発を目的に様々なイベントが行われます。吃音は現在でもその原因などが医学的に解明されておらず、世界の総人口の1%ほどが吃音を持つとされています。「吃音」と一口にいってもその症状は様々で、「同じ音を繰り返し発音するもの」「語の頭の発音が伸びるもの」「発声が続かなくなるもの」などがあります。

こうした吃音のある人が持つ悩みは、吃音のないマジョリティの人々の無理解により生まれることも少なくありません。たとえば、学校で吃音が出たときに、その様子を他の生徒にからかわれたりいじめられたりした経験によって更に吃音の症状が悪化することもあります。また、吃音を持つ人がしゃべる際に、やたらと吃音を指摘したり、無理に治そうとしたりすることで当事者が安心して喋れなくなり、より発話が困難になることもあります。吃音を持つ人々の悩みが解決されるには、吃音のないマジョリティの人々の理解が必要不可欠であるといえます(このような構図はマイノリティをめぐる問題の多くにいえることです)。

さて、吃音を持つ人として有名なのは、1994年に『スキャットマン』でデビューし世界中に大ヒットを飛ばしたスキャットマン・ジョン(Scatman John)ではないでしょうか。彼は自身が持つ吃音を逆手に取り、スキャットのような歌唱法で独特な歌をうたって注目されました。『スキャットマン』の歌詞は吃音の症状を持つ子どもを勇気づけるものになっています。耳に残りやすい曲なのでフォレスト生でも聴き覚えがある人もいるかもしれませんが、歌詞も見ながら聴いてみると新しい発見があるかもしれません。息抜きに聴いてみてはいかがでしょうか。

 

10月も下旬となり、気候の変動が気になるころ。くれぐれも体調には気を付けて、手洗いうがいで日々を乗り越えていきましょう。頑張れフォレスト生!

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は10/28の予定です。)

 

出典

NPO法人千葉言友会Facebookより https://www.facebook.com/chibagenyuukai/posts/933244453473154:0/

日本吃音・流暢性障害学会より https://jssfd.org/kaisetsu.html

ローリングストーンジャパンより https://rollingstonejapan.com/articles/detail/38161

フォレストクイズ③

2024年10月19日

第3回目のフォレストクイズです!今回も「ノーベル賞」に関する問題をお届けします。今年(2024年)のノーベル平和賞は日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が授賞しました。広島や長崎の被爆者たちによって1956年に結成された同組織は、草の根運動によって「二度と核兵器を使用してはならない」という意識=「核のタブー」という意識を確立させた、として今回の授賞に至りました。来年で原爆投下、そして終戦から80年。当時を生きた人も少なくなるなか、その記憶と痛みを我々は語り継いでいくことができるでしょうか。

そんな原爆に関する、とある医師をクイズにしてご紹介いたします。

Q.1945年、広島で被爆した女優・仲みどりに対し史上初めて「原子爆弾症」の診断を下した、「原爆症研究の父」とも称される医師は誰?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.都築正男(つづき・まさお)

移動劇団に所属する女優であった仲みどりさんは広島の劇団事務所で被爆。その場では命は助かりましたが、東京に帰った先で様々な症状を発症して亡くなってしまいます。

ペンシルバニア大学で放射線医学を学んだ経験を持つ東大病院の都築正男氏は直ちに病理解剖を開始し、臨床経過と併せ「原子爆弾症」の診断を下しました。これが世界で初めて「原爆症」の認定がなされた瞬間でした。都築氏はその後、調査団を率いて広島で調査と治療を行い、原爆症研究に身を投じていきます。GHQにより原爆に関する研究の発表などに規制(プレスコード)がかけられても、「人道上許しがたい」としてこれに反発。そこには、今まさに亡くなりゆく被爆者のために研究を続けなければならない。という想いがあったようです。その後も都築氏は、1954年にビキニ環礁で行われた水爆実験により被害を受けた第五福竜丸の乗組員たちを調査、治療するなど、原水爆がもたらす人体への影響について研究を続け、その先頭に立っていました。

 

平和に対して想いを馳せる。フォレスト生の皆さんにも、未曽有の病と闘った医師の姿を通して何かを感じていただけたら幸いです。体調には気を付けて穏やかな秋を過ごしていきましょう!頑張れフォレスト生!

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

(次のフォレストクイズ更新は10/22の予定です。)

 

出典

NHK ノーベル平和賞 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241011/k10014606851000.html

中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=27172

朝日新聞 https://www.asahi.com/hibakusha/shimen/2013natsu/2013natsu-22.html?msockid=3481fe5aaa536e9133e9edb6ab2b6f60

日本赤十字社 https://www.jrc.ac.jp/application/files/8816/8117/7353/dialogue_on_nuclear_weapons_jp_web.pdf

フォレストクイズ②

2024年10月17日

第2回のフォレストクイズです。前回(10月12日投稿)に引き続き今回も「ノーベル賞」についての話題から問題を出題します。今回はいきなり問題です!

Q.今年(2024年)のノーベル物理学賞とノーベル化学賞の双方で注目された、人間の脳の神経回路網を模した人工知能の情報処理モデルのことを「〇〇〇〇〇ネットワーク」という?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.「ニューラルネットワーク」

ニューラルネットワークの「ニューラル(neural)」とは人間の神経細胞を意味する「ニューロン(neuron)」の形容詞形のことです。

今年のノーベル物理学賞は人工知能の機械学習の手法を確立した研究者であるジョン・ホップフィールド氏とジェフリー・ヒントン氏に贈られ、情報科学専門の部門を持たないノーベル賞の歴史に新たな1ページが刻まれました。ホップフィールド氏はニューラルネットワークに物理学の理論を取り入れ、不完全なデータから元のデータを再現することができる「連想記憶」という手法を開発しました。ヒントン氏はこれを統計物理学の手法を用いて発展させ、こんにち注目される「生成AI」の技術の端緒を生み出しました。

また、今回のノーベル物理学賞の発表を受けてニューラルネットワークの基本的な理論などを発展させた甘利俊一氏や、ヒントン氏の研究にも応用された画像認識技術を考え出した福島邦彦氏をはじめ、多くの日本人研究者が再注目されていることも忘れてはなりません。

更に、今年のノーベル化学賞ではタンパク質の立体構造の解明に際し、ニューラルネットワークの技術を用いて高精度な予測を実現した研究者にも賞が贈られました。今年のノーベル賞は「ニューラルネットワーク」が発展をもたらした研究が日の目を浴びましたが、むしろこれからはこの技術に関する研究がノーベル賞を取るのが当たり前になる日も近いのかもしれません。

 

ここ数日、関東地方は温かい日が続いていますが、気温差などで体調を崩さないように気をつけながら生徒さんには日々を送っていただきたいです。頑張れフォレスト生!

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

(次のフォレストクイズ更新は10/19の予定です。)

 

出典

コトバンク「ニューラルネットワーク」 https://kotobank.jp/word/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF-6986

NHK ノーベル物理学賞 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241008/k10014603511000.html

WIRED ノーベル物理学賞 https://wired.jp/article/nobel-prize-in-physics-2024-geoffrey-hinton/

NHK ノーベル化学賞 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241009/k10014604671000.html

日経ビジネス ノーベル化学賞 https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00461/101000250/

フォレストクイズ①

2024年10月12日

今回から始まった新連載、その名も「フォレストクイズ」。理系ジャンルを中心に様々なニュースをクイズにしてこちらでお届けしていきます。

記念すべき第1回目の内容は、現在(2024年10月12日)2024年度の受賞者が発表中の「ノーベル賞」についてです。このブログが公開された時点では経済学賞を除く5部門の受賞者が発表されています。その中でも最初に発表されるのがノーベル生理学・医学賞。メディカルフォレストの生徒たちにとっても重要なニュースですよね!

そこで問題。
Q.今年(2024年)のノーベル生理学・医学賞を受賞したビクター・アンブロス氏とゲイリー・ラブカン氏がその存在と役割を解明したのは「〇〇〇〇RNA」?

 

 

 

 

 

 

A.「マイクロRNA」

マイクロRNAは文字通りとても小さなRNA。mRNA(メッセンジャーRNA)と結びついて遺伝子の働きを制御する働きがあり、「遺伝子の働きを制御するのは『転写因子』と呼ばれる特殊なたんぱく質だけである」とされていた従来の学説に新発見をもたらしました。ヒトでも既に1000種類を超えるマイクロRNAの存在が確認されており、それらの働きが異常になることで様々な病気などが引き起こされることも分かっています。また、マイクロRNAは人工的に作ることが可能で、ある遺伝子の働きを意図的に抑えるマイクロRNAを作り出すことでその遺伝子がどのような働きをするか、ということを調べられるようになりました。マイクロRNAの発見は様々な病気の診断法や新薬の製造などの研究にもつながると考えられています。

生命科学の進歩に大きな貢献をしたマイクロRNA。ひょっとしたら今年度の医学部受験でもどこかが問題に取り上げるかもしれませんね。「フォレストクイズ」ではこれからも様々な情報をクイズ形式でお届けしていきます!

生徒さんは来たる受験に向けてニュースを見る余裕もない日々を送っていることかと思いますが、体調には大変気を付けて残りの時間を過ごしてほしいです!頑張れフォレスト生!

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

出典
NHK https://www3.nhk.or.jp/news/special/nobelprize/2024/medicine/article_01.html
読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/medical/20241007-OYT1T50176/
サイエンスポータル https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20241007_n01/