日別アーカイブ: 2024年10月19日

フォレストクイズ③

2024年10月19日

第3回目のフォレストクイズです!今回も「ノーベル賞」に関する問題をお届けします。今年(2024年)のノーベル平和賞は日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が授賞しました。広島や長崎の被爆者たちによって1956年に結成された同組織は、草の根運動によって「二度と核兵器を使用してはならない」という意識=「核のタブー」という意識を確立させた、として今回の授賞に至りました。来年で原爆投下、そして終戦から80年。当時を生きた人も少なくなるなか、その記憶と痛みを我々は語り継いでいくことができるでしょうか。

そんな原爆に関する、とある医師をクイズにしてご紹介いたします。

Q.1945年、広島で被爆した女優・仲みどりに対し史上初めて「原子爆弾症」の診断を下した、「原爆症研究の父」とも称される医師は誰?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.都築正男(つづき・まさお)

移動劇団に所属する女優であった仲みどりさんは広島の劇団事務所で被爆。その場では命は助かりましたが、東京に帰った先で様々な症状を発症して亡くなってしまいます。

ペンシルバニア大学で放射線医学を学んだ経験を持つ東大病院の都築正男氏は直ちに病理解剖を開始し、臨床経過と併せ「原子爆弾症」の診断を下しました。これが世界で初めて「原爆症」の認定がなされた瞬間でした。都築氏はその後、調査団を率いて広島で調査と治療を行い、原爆症研究に身を投じていきます。GHQにより原爆に関する研究の発表などに規制(プレスコード)がかけられても、「人道上許しがたい」としてこれに反発。そこには、今まさに亡くなりゆく被爆者のために研究を続けなければならない、という想いがあったようです。その後も都築氏は、1954年にビキニ環礁で行われた水爆実験により被害を受けた第五福竜丸の乗組員たちを調査、治療するなど、原水爆がもたらす人体への影響について研究を続け、その先頭に立っていました。

 

平和に対して想いを馳せる。フォレスト生の皆さんにも、未曽有の病と闘った医師の姿を通して何かを感じていただけたら幸いです。体調には気を付けて穏やかな秋を過ごしていきましょう!頑張れフォレスト生!

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

(次のフォレストクイズ更新は10/22の予定です。)

 

出典

NHK ノーベル平和賞 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241011/k10014606851000.html

中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=27172

朝日新聞 https://www.asahi.com/hibakusha/shimen/2013natsu/2013natsu-22.html?msockid=3481fe5aaa536e9133e9edb6ab2b6f60

日本赤十字社 https://www.jrc.ac.jp/application/files/8816/8117/7353/dialogue_on_nuclear_weapons_jp_web.pdf