日別アーカイブ: 2025年10月24日

フォレストクイズ25⑱(2025/10/24)

2025年10月24日

第18回目のフォレストクイズ25です。今日・10月24日は「世界ポリオデー」です。ポリオはポリオウイルスにより脊髄神経の灰白質が侵され、夏かぜのような症状の後に麻痺が見られる病気で、治療後に麻痺が残ることも珍しくありません。1988年にWHOによる宣言で撲滅が目指されて以降、99.9%ほどまで発症件数は減少しており、撲滅までもう少しのところまで来ています。1980年に撲滅された天然痘以来、2例目となる人類が撲滅した感染症となるのはいつになるでしょうか?なお、ポリオに関しては以前のフォレストクイズで取り上げた部分もありますので、そちらも是非ご覧ください。(→フォレストクイズ25⑭(2025/9/24)

さて、今回は科学史に影響を与えた人物について出題します。

Q.本職の一つである織物商で生地の鑑定のために虫眼鏡をよく用いていた、この経験を活かして単眼式の顕微鏡を自作して微生物などの観察を行い「微生物学」の基礎を築いた17世紀頃の人物は誰?

~~~答えは下にスクロール~~~

A.(アントニ・ファン・)レーウェンフック

今日はレーウェンフック(1632-1723)の生誕日。「微生物学の父」と称されることもあるレーウェンフックは、大学などに属さない「アマチュア学者」でした。本職は織物商や地元の役人などで、問題文にもあるようにレンズを扱った経験を元に、レンズを一つだけ用いる単眼式の顕微鏡を自作して、様々な物を観察してスケッチし楽しんでいたそうです。中でも最も倍率が高かったのは300倍にも達するものもあったとか。そうした観察の中から「細菌の発見」「動物の精子の発見」「魚の赤血球の核の発見」など様々なミクロな世界の発見を重ね、これらのレポートをロンドン王立協会に送ったことで成果が認められることとなりました。微生物に関する研究の発端には、純粋な好奇心があったというのはなんだかワクワクさせられる話です。

さて、皆さんは大学でどのようなことを学んでいくつもりでしょうか?単純に仕事に繋がるから勉強をするというだけでなく、皆さんが各々に持つ興味・好奇心を満たすような学問が大学にはあるはずです。自分が何に興味があるのか、心の機微がどのような物に対して反応するのか、そういったことを感じ取れると大学生活はより特別な時間になるでしょう。時には大学入学後の自分を想像してみてはいかがでしょうか。頑張れフォレスト生!

メディカルフォレスト 上山

 

出典

コトバンク https://kotobank.jp/word/%E3%82%8C%E3%83%BC%E3%81%86%E3%81%88%E3%82%93%E3%81%B5%E3%81%A4%E3%81%8F-3176135#w-2152803

織物商の経験について 科学新聞 https://sci-news.co.jp/column/7831/

世界ポリオデー https://www.endpolio.org/ja/shi-jie-poriode