第25回目のフォレストクイズ25です。
今日・12月5日は作家・北条民雄(1914-1937)の命日です。北条民雄は20歳にしてハンセン病にかかり、入所した多摩全生園で小説『いのちの初夜』をはじめとしてハンセン病を題材にした作品を書いた夭逝の作家です。フォレストクイズでは過去にハンセン病について紹介した回がありますので、よろしければそちらもご覧ください。(→フォレストクイズ25③)
さて、今回は近年の医学界で注目されており、問題にもなっている事象について出題します。
Q.2022年には新規で200人近くが該当するなど人数が急増しつつある、2年間の初期臨床研修の後にすぐ美容外科の道に進む医師のことを、漢字2文字で何という?
~~~答えは下にスクロール~~~
A.直美(ちょくび)
近年「直美」を巡る話題を耳にする機会が増えています。問題文で取り上げた2022年に新たに初期臨床研究を終えたのは8000人。およそ40人に1人は「直美」という選択肢を取っています。その背景には「美容外科の需要の増大」、「美容外科が自由診療である(=保険診療より点数単価が高く、儲かる)」「保険診療の医師の過酷な労働環境」などがあるとされています。
「直美」を巡る問題は様々な視点から語ることができます。「直美では技術が十分に学べない」側面があります。技量が不十分な医師が美容整形手術などを行うことで、医療事故が増えてしまうという問題と同時に、「他の医療分野に転向することは難しくなる」という側面もあります。それはすなわち「保険診療の医師が足りない」という問題にもつながります。あるいは医師が足りないという問題があるからこそ、「保険診療の医師の労働環境が過酷で、断念してしまう医師が出てくる」という問題にもつながります。こうしてみると、現在の医師の労働環境を巡る問題が「直美」という視点からでもよく見えてくるのではないでしょうか。制度を整えなければ、「より稼げて」「より働きやすい」方へ進みたくなる人が現れても当然かもしれません(もちろんその是非は問われなければなりませんが)。高齢化の世にあって、医療の崩壊を避けるにはどうすれば良いのか、早急な議論が必要ではないでしょうか。
12月です。いよいよラストスパートといっていいでしょう。ゴールまで突き進みましょう。何度でも言いますが、手洗いうがい、体調管理も万全に!頑張れフォレスト生!
メディカルフォレスト 上山
出典
直美について ニュース https://www.mbs.jp/news/feature/kansai/article/2025/08/107925.shtml
直美について 長野県医師会 https://www.nagano.med.or.jp/general/project/komichi/wakasato/detail.php?id=140
北条民雄 コトバンク https://kotobank.jp/word/%E5%8C%97%E6%9D%A1%E6%B0%91%E9%9B%84-132156#w-2114720
