フォレストクイズ」カテゴリーアーカイブ

フォレストクイズ㉔

2025年1月11日

フォレストクイズ24 2025/1/11

第24回目のフォレストクイズです。今回から数回は「名言クイズ」回をお送りしていきます。フォレスト生の皆さんを応援するために、更新日に因んだ人物の名言を特集します。今回の記事の更新日である1月11日は漫画『あしたのジョー』の作画などで知られる漫画家・ちばてつやさん(1939-)の誕生日です。『あしたのジョー』は主人公の不良少年・矢吹丈がボクシングの世界で活躍する姿を描いた人気漫画です。今回はちばてつやさんが語った言葉を出題します。

Q.ちばてつやさんは、「人間の強さ」は「何を乗り越えようとすることで、にじみ出てくるもの」とした?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.「不完全な自分」

ちばてつやさんは、人間は何かしら欠けたところがあることを前提に、そんな不完全な自分を乗り越えようとすることで人間の強さがにじみ出てくるのだと考えているそうです。常に「あした」を目指すということ。『あしたのジョー』もそんなメッセージを織り交ぜた作品になっています。

フォレスト生の皆さんも、きっとそういう日々を過ごしてきたのではないでしょうか。育んできた「強さ」を信じて、頑張れフォレスト生!

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は1/13更新の予定です。)

出典

NHK https://www.nhk.or.jp/school/anipara/detail05_voice01.html

フォレストクイズ㉓

2025年1月4日

第23回目のフォレストクイズです。今年もクイズ好きのスタッフがフォレストクイズを更新してまいりますのでごひいきのほどよろしくお願いいたします。それでは新年最初のフォレストクイズは、ちょっとした計算問題から。よければ解いてみたり、解き方を考えたりしてみてください。

Q.九九の答えの数を全て足すといくつになる?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

正解発表、の前に解き方を考えてみましょう。

九九は全ての段が〇×1から〇×9までで構成されているわけですから、共通因数でくくれば、ある段の和は、

〇×(1+2+3+4+5+6+7+8+9)

と書き表せます。そして全ての段の和も共通因数でくくれば、

(1+2+3+4+5+6+7+8+9)×(1+2+3+4+5+6+7+8+9)

と書き表せます。カッコの中の足し算の答えは45。ということは45の2乗を計算すれば解決ですね。

A.2025

ということで、今年の西暦年の「2025」という数は九九の答えを全て足した数なのです。実は2025という数は数学的に面白い性質をいくつも持っています。たとえば、

「1から自然数nまで自然数を足した数の2乗は、1の3乗からnの3乗までを足した数と等しい」

という性質があるのですが、先ほど確認したように2025は1から9までを足した数である45の2乗で表せますから、

(1の3乗)+(2の3乗)+……+(9の3乗)=2025

と、1の3乗から9の3乗までを足した数でもあることが分かります。また、

2025=(45の2乗)=(9の2乗)×(5の2乗)

なので二つの平方数の積で表すこともできますし、

2025=(9の2乗)×(5の2乗)=(3の4乗)×(5の2乗)

なので、2025の正の約数の個数は5×3=15で15個であることは、「本番」間近の皆さんには簡単に分かりますね!

2025という数は数学の問題にもなりそうな性質をいっぱい持っていますから、一度調べてみてはいかがでしょうか。

 

2025年が最高の年になることを祈って、頑張れフォレスト生!

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は1/11更新の予定です。)

フォレストクイズ㉒

2024年12月28日

第22回目のフォレストクイズです。今回が今年(2024年)最後のフォレストクイズの更新です。クイズ好きのスタッフである私により今年から始まった企画ですが、ご好評いただいているようで何よりです。来年にも更新はありますので是非お楽しみに。今回は今日・12月28日が誕生日である「ある作家」にちなんだ問題を出題します。

Q.空気が澄んでいて日射量の多い高原や砂浜などに多くつくられる、結核の療養所のことを英語で何という?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.サナトリウム(sanatorium)

慢性的な症状を特徴とする結核の療養所は「サナトリウム」と呼ばれ、結核を題材とした文学作品を「サナトリウム文学」と称することがあります。海外でいえばトマス・マンの『魔の山』が有名ですが、日本の代表的なサナトリウム文学といえば堀辰雄の『風立ちぬ』ではないでしょうか。今日・12月28日は堀辰雄(1904-1953)の誕生日です。堀辰雄は肺結核にかかり、軽井沢で度々療養生活を送っていました。『風立ちぬ』はそんな療養生活を題材にした作品です。

『風立ちぬ』の序文にはこんなフレーズが出てきます。

「風立ちぬ、いざ生きめやも。」

このフレーズは作品冒頭に引用されたポール・ヴァレリーの詩『海辺の墓地』の一説が基になっています。「風立ちぬ」は「風が立った(吹いた)」という意味合いで、「めやも」という古語的な表現は詠嘆を込めた反語、疑問の表現です。よって「風が立った、さあ生きようか。いや、生きないだろうなあ。」といったようなニュアンスになります。実はこの表現は引用したヴァレリーの詩の内容が「さあ生きよう」と決意するものであるのと逆かのようにも思える表現になっています。これが単なる誤訳だったのか、それとも堀自身意図してこのような表現を用いたのかという点については、現在まで議論が絶えません。しかしながら、ここで用いられた「いざ生きめやも」というフレーズが後世まで残る名句であるということそのものは、疑いようのない事実でしょう。

 

今年のうちにやり残したことがないようにしっかりとやり切りましょう!良い体調で新年をお迎えくださいね。

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は1/4更新の予定です。)

出典
コトバンク サナトリウムhttps://kotobank.jp/word/%E3%81%95%E3%81%AA%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%81%86%E3%82%80-3153023#w-1979823
コトバンク 堀辰雄 https://kotobank.jp/word/%E5%A0%80%E8%BE%B0%E9%9B%84-134355
日本女子大学学術情報リポジトリ https://jwu.repo.nii.ac.jp/records/1912

 

フォレストクイズ㉑

2024年12月26日

第21回目のフォレストクイズです。2024年の今日・12月26日は暦の上でおめでたい日とされる「天赦日」と「一粒万倍日」が重なる日。何かを始めるのにも良い日だそうです。「本番」を目の前にした生徒さんは急に新たなことを始めるわけにもいかないでしょうが、来年以降に受験を見据える高2以下のフォレスト生の皆さんは何か一つ習慣を始めてみてもいいかもしれません。

さて、今日は偉大な女性科学者についての問題です。

Q.1898年12月26日、夫のピエールとともに新たな放射性元素「ラジウム」の発見を発表した女性科学者は誰?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.マリー・キュリー(キュリー夫人)

12月26日は「ラジウム」の発見が発表された日です。キュリー夫妻は同じく1898年の7月に放射性元素のポロニウムを発見しており、これに次ぐ新たな放射性元素の発見でした。今回の発表に際しては「放射能」という語も造語されています。発表者であったキュリー夫妻は1903年のノーベル物理学賞を受賞、更にマリー・キュリーは夫・ピエール亡き後の1911年にノーベル化学賞も受賞しています。

ここで、今日は新しく物事を始めるのに良い日ということで、趣向を変えてマリー・キュリーが残したとされる名言を一つご紹介します。

“Nothing in life is to be feared. It is only to be understood.”

「人生において、恐れるべきことなど何もありません。ただ理解すべきことのみです。」

この後には「理解を深めることで恐れに打ち勝つのだ」というような文章が続きます。稀代の科学者であるマリー・キュリーの原動力となったのは、未知の世界について知ろうとする意志だったのかもしれません。

「本番」まであとわずか。とにかく体調を崩さないように意識しましょう!手洗いうがい、換気に栄養補給を忘れずに。頑張れフォレスト生!

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は12/28更新の予定です。)

 

出典

福井新聞 https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2193143

ブルーバックス https://gendai.media/articles/-/58944

毎日1ページ!1年間ぜったい続けられる 英語録音読BOOK

https://www.google.co.jp/books/edition/%E6%AF%8E%E6%97%A51%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8_1%E5%B9%B4%E9%96%93%E3%81%9C%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%84%E7%B6%9A/X-3_EAAAQBAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%80%80nothing+in+life%E3%80%80%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E9%8C%B2%E9%9F%B3%E8%AA%ADbook&pg=PA306&printsec=frontcover

フォレストクイズ⑳

2024年12月23日

第20回目のフォレストクイズです。いよいよ迫ってきた年の瀬。明日・明後日はクリスマスイヴ・クリスマス。とはいえフォレスト生の皆さんからすれば「本番」に向けて無駄にはできない一日でしょう。いつも通りに生活できるように、今日のうちに備えるのもアリかもしれませんね。

さて、今回は現在の日本が抱える「ある課題」について出題します。

Q.海外で開発された新薬の日本での承認が、欧米に比べて遅れてしまう現象を何という?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.ドラッグ・ラグ

「ドラッグ・ラグ」には二つの側面があります。「欧米で既に承認された新薬が日本でなかなか承認されない」という意味の遅れと、「日本でも承認されたものの欧米に比べると承認までの期間が長くなってしまう」という意味の遅れです。更には「欧米では既に承認されているものの、日本では開発の見込みすら立たない」というケースもあり、これは「ドラッグ・ロス」と呼ばれています。この「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス」をいかにして解消し、より多くの人に薬を届けるか、というのが現在の日本の抱える課題となっています。

「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス」が生じる背景には、臨床試験の仕組みの問題から国際的な共同治験に日本が未参加となってしまう場合があることや、薬価制度に関する問題など様々な障壁から、新薬を開発する海外ベンチャー企業などが日本市場に参入しないケースがあることなど、様々な問題が原因としてあるようです。「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス」の影響を大きく受けるのは希少疾患や小児用の薬を待つ人々であることが多く、こうした人々に必要な薬が存在しているにもかかわらず届けられない、という状況が多くうまれています。「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス」の解消に向けては官民一体となった取り組みが期待されています。

 

寒さが身に染みる今日この頃ですが、腹巻などを活用して身体を冷やさないようにして生活し、元気に過ごせるよう努めていきましょう。頑張れフォレスト生!

 

~答えは下にスクロール~

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は12/26更新の予定です。)

 

出典

医薬産業政策研究所 http://atdd-frm.umin.jp/slide/35/iida.pdf

がんナビ https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report/202404/583761.html

日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC311T40R30C24A5000000/?msockid=3481fe5aaa536e9133e9edb6ab2b6f60

QLifePro https://www.qlifepro.com/news/20241122/mhlw-191.html

フォレストクイズ⑲

2024年12月21日

第19回目のフォレストクイズです。記事の更新日である12月21日は今年(2024年)の冬至の日。一年で最も昼が短くなる日です。かつての易学(占い)では「一陽来復」といって、陽の気が再び強まりだすタイミングとして冬至の日(ないし旧暦の11月)はおめでたい日とされていたそうです。おめでたい物事にはあやかりたいものですね。そこで今日はこんな問題。

Q.「ん」が付くものを食べると縁起が良いとされる冬至の日によく食される、「南京(なんきん)」という別名がある野菜は何?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.カボチャ

カボチャは夏から秋にかけて収穫されたのち、保存しておくことで追熟されて甘みが増します。そのため食べ物が限られる冬至のタイミングでも美味しくいただけるのです。日本に先に伝来した日本カボチャと比べると、今よく目にする西洋カボチャは更に栄養豊富で、ビタミンやβカロテン、食物繊維や炭水化物(糖質)などが多く、「緑黄色野菜の王様」と称されることもあります。先ほど冬至はおめでたい日とされてきた、と述べましたが、縁起を担いで食べられてきたのが「運を盛る」とされる「ん」が付く食べ物。その一つが「南京」と呼ばれていたカボチャでした。様々な理由からカボチャが冬至の主役食材となったのですね。フォレスト生の皆さんも「一陽来復」の心持ちでカボチャを食べてみてはいかがでしょうか。

 

共通テストまであと4週間。焦る気持ちを持ちそうになるところですが、そんな感情をどのようにすれば制御できるのか、ということを見つけることができれば本番にも必ず活かせるはずです。実力をどうやったら発揮しきれるか、という点にも意識を向けたいところです。頑張れフォレスト生!

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は12/23更新の予定です。)

 

出典

国立天文台 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2024/rekiyou242.html

コトバンク https://kotobank.jp/word/%E4%B8%80%E9%99%BD%E6%9D%A5%E5%BE%A9-433829

日本健康文化振興会 https://www.healthnet.or.jp/column/2020/000132.html

山梨県厚生連 https://www.y-koseiren.jp/special/health/3023

フォレストクイズ⑱

2024年12月14日

第18回目のフォレストクイズです。希望溢れる「春」を目指し日々努力しているフォレスト生の皆さん。しかし、そんな春を謳歌する上で、人によっては「天敵」になりうる存在について気になるニュースが飛び込んできました。今回はそんな問題。

Q.日本ではここ数十年ほどで有病率は40%ほど上昇した地域もあり、新たな「国民病」と化している、 春にはスギやヒノキなどが原因となる病気は何十

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.花粉症

来年(2025年)の春は、春の花粉症の原因となるスギなどの花粉が多く飛散するという見込みが日本気象協会より発表されました。2024年の花粉飛散量が例年より少なく、2024年の夏が日照時間、気温ともに十分であったことがその理由です。花粉症の方にとっては厳しい季節になるかも。

現在の日本では花粉症の自覚症状を持つ人は約3割から5割ほどいるとされています。日本全国にスギやヒノキが植えられるようになったのは戦後のこと。戦時中の資源調達のために伐採が進みハゲ山となった森林を復活させるとともに、将来の木材資源の確保のためにスギやヒノキが次々と植えられていきました。その時期に植えられたスギやヒノキは木材として役立てるのには十分な年数が経っているのですが、木材需要の落ち込みもあり伐採は進んでいません。その他にも温暖化や大気環境、住居環境の変化など様々な理由により花粉症は増加。東京都の調査では1980年代では10%前後の有病率であったものの2016年頃には50%近い有病率となった地域もあり、花粉症の影響が増大していることが分かります。

12月も折り返し目前。あと2週間ちょっとで2024年が終わります。やり残したことがないように今年を駆け抜け、2025年を最高の年にしましょう!頑張れフォレスト生!

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は12/21更新の予定です。)

 

出典

Yahoo! https://news.yahoo.co.jp/articles/cb6ea863daac06a3a70fc7e294804f4374ea3ee9

マイナビニュース https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220214-2272023/

協和キリン https://www.kyowakirin.co.jp/kahun/about/relationship.html

ヒロオカクリニック https://www.h-cl.org/column/hay-fever-old-now/

フォレストクイズ⑰

2024年12月12日

第17回目のフォレストクイズです。この冬はCOVID-19、インフルエンザ、マイコプラズマ肺炎に続いて「リンゴ病」も流行の兆し。リンゴ病の感染はアルコール消毒では防げず、手洗いうがいが主な対策になるそうです。やはり冬は手洗いうがい、それから換気が重要ですね。健康にはくれぐれもご注意を!

さて、2025年が目前に迫ってきているこの頃ですが、今回は来年に「100周年」を迎える「ある物」について出題します。

Q.A5サイズの机上版とA6サイズのポケット版が発売される、毎年国立天文台によって編纂される科学についてのデータブックは何?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.『理科年表』

科学の総合データブックである『理科年表』が最初に発行されたのが1925年のこと。来年・2025年には100周年を迎えます。そんな「2025」年版のものは実は今年(2024年)の11月28日に発行済み。今年は、「生物部」ではこのフォレストクイズの第1回でも話題にした「マイクロRNA」について、暦部では2025年に起こるとされる土星の環が「消失」する現象について取り上げられるなど最新のトピックについても網羅。科学の世界に生きるフォレスト生の皆さんも、是非一度手に取ってみてはいかがでしょうか?

 

冒頭にも述べた通り、冬本番を迎えて様々な病気が流行しています。とにかく予防予防!病気にかからないように心がけることを忘れずにいきましょう!頑張れフォレスト生!

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は12/14更新の予定です。)

 

出典

NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241128/k10014652241000.html

理科年表2025 https://official.rikanenpyo.jp/posts/8422

フォレストクイズ⑯

2024年12月9日

第16回目のフォレストクイズです。記事の更新日である12月9日は「ジェノサイド条約」が採択された日です。「ジェノサイド」とは国民的、人種的、民族的、宗教的な集団に対する破壊的行為を意味しますが、ドイツのナチス政権がユダヤ人を虐殺したホロコーストが起こったことを契機に1948年に採択された「ジェノサイド条約」は、国連総会で採択された最初の人権条約であると共に、「世界人権宣言」が採択される前日に採択され、国連が目指すべき平和の理念を強く表明したものとなっています。

さて、そんなジェノサイド条約が採択された12月9日は、ホロコーストにも関係がある化学者の誕生日でもあります。そこでこんな問題。

Q.第一次大戦下ではドイツ軍の毒ガス研究の最先端に立っていた、化学肥料に用いられるアンモニアの工業的製法にカール・ボッシュと共に名を残す化学者は誰?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.(フリッツ・)ハーバー

1868年12月9日に生まれたフリッツ・ハーバーは、一般に「ハーバー・ボッシュ法」の開発で知られています。「ハーバー・ボッシュ法」とは空気中の窒素を水素と触媒に反応させてアンモニアを得る方法で、これにより化学肥料の大量生産が可能になったことで食糧生産の増大とそれによる人口増加を支えた技術です。しかもこの技術は今日まで理論的には大きく変わることなく活用され続けている世紀の大発見でした。ハーバーはこの功績により第一次大戦後に1918年度のノーベル化学賞を受賞しています。

ところがこの受賞に際し批判の声もありました。それはハーバーが第一次大戦中にドイツ軍の毒ガス兵器開発の指導的役割を担っていたためです。高名な科学者が戦争時に軍部に貢献すること自体は珍しいことではありませんが、ドイツ軍は大戦中のイープルの戦いで史上初めて毒ガス兵器を大規模に実戦に導入しており、このことからハーバーは「化学兵器の父」としても悪名高き存在となっていました。実は先述したハーバー・ボッシュ法も、第一次大戦下では火薬の開発に活用されています。ハーバーが毒ガス研究に身を投じ没頭したのは、一説にはユダヤ人であった出自を捨てドイツに献身するためであった、などともされていますが、実際のところはどうだったのでしょうか。その後のナチス政権下ではハーバーはドイツを追われることとなり、ハーバーが開発した毒ガスはユダヤ人の強制収容所で使用されることとなります。ハーバーの科学者としての生涯は、科学が持つ光と影の両面性を後世に伝えている、といえるかもしれません。

 

12月も半ばに差し掛かり、フォレスト生の皆さんも今後の受験スケジュールが決まってきているのではないでしょうか。一つの区切りが見えてきた中で、どれだけ踏ん張れるか。これからの時期をしっかりと戦い抜くことで、本番に挑む時の自信が違ってくることでしょう。自信が違えばパフォーマンスも変わるはず。そう信じて駆け抜けていきましょう。頑張れフォレスト生!

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は12/12更新の予定です。)

 

出典

国際連合広報センター https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/49368/

コトバンクhttps://kotobank.jp/word/%E3%81%AF%E3%83%BC%E3%81%B0%E3%83%BC-3163932#w-115876

ブルーバックス編集部 https://gendai.media/articles/-/58744

PHPオンライン https://voice.php.co.jp/detail/11093

フォレストクイズ⑮

2024年12月7日

第15回目のフォレストクイズです。記事の更新日である12月7日は、2019年に熊本の慈恵病院が匿名妊婦を受け入れる「内密出産制度」を事実上導入したと発表した日です。慈恵病院といえば親が育てられない乳幼児を受け入れる「赤ちゃんポスト」を運営している病院として知られていましたが、望まない妊娠をした女性への更なる支援として内密出産の制度を導入、実際に2021年12月から制度が始まりました。制度開始からおよそ3年で38人の赤ちゃんが生まれています。もしこの制度がセーフティネットとして存在していなかったとしたら、少なくともこの赤ちゃんとそのお母さんは……?そんなことをつい考えてしまいます。

さて、今年・2024年はアメリカ大統領選挙が行われた年でしたが、アメリカ大統領選挙でも女性の望まない妊娠にまつわる争点があります。今日はそんな問題。

Q.一般にリベラル・民主党支持者が賛同する傾向にある、人工妊娠中絶の権利を擁護する立場のことを、胎児の命を重視する「プロ・ライフ」に対して何という?

 

 

~答えは下にスクロール~

 

 

A.プロ・チョイス

アメリカにおける人工妊娠中絶に関する問題は、個人の自由という権利やキリスト教的価値観、保守・リベラルなどの政治的価値観や人種、経済格差などが絡む複雑なものになっています。先日の大統領選ではトランプ氏の共和党が勝利しましたが、一般に共和党支持者が賛同する傾向にある「プロ・ライフ」は基本的に人工妊娠中絶を認めない立場です。一方、民主党支持者が賛同する傾向にある「プロ・チョイス」は人工妊娠中絶を女性の権利として擁護する立場です。2022年にはアメリカ連邦最高裁が「人工妊娠中絶は憲法で認められた権利だ」とする過去の判決を覆しましたが、これはトランプ氏が以前の大統領時代に判事に任命した人物の多くが「プロ・ライフ」の立場を取っていたためともされています。先の判決以降のアメリカでは半数近い20を超える州が人工妊娠中絶を規制するようになりました。性と生殖に関して保障されるべき健康、および権利のことを「リプロダクティブヘルス&ライツ」と言いますが、こちらを擁護する立場の人びと(≒「プロ・チョイス」派)は今後のトランプ政権下で「プロ・ライフ」派が存在感を強めていくことを危惧しています。

12月ともなると、フォレスト生の皆さんにとっても「本番」が意識され、一日一日の感じ方がまた変わってきているのではないでしょうか。そんな時でも大事なのは「慌てずに淡々といつも通りに過ごすこと」なのかなと思います。「目標に向かって、やるべき事は何かを考えて、それに向かい進んでいく」というのは、ある意味ではこれまで行ってきたことと同じです。慌ててしまう時間すらもったいない!と考えれば、とにかく一歩一歩をこれまで通りに踏みしめていくだけ。難しい意識ではありますが、不動心でやっていきましょう。頑張れフォレスト生!

 

医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山

 

(次のフォレストクイズ更新は12/9更新の予定です。)

 

出典

日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53096790X01C19A2000000/?msockid=3481fe5aaa536e9133e9edb6ab2b6f60

NHK

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20241128/5000023936.html

https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/us-election/presidential-election/2024/policy/article_10.html

ハフポスト https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6715fad2e4b0ae8214802ea4