受験勉強と医学部の勉強

2023年11月25日

こんばんは、メディカルフォレスト卒業生の深見です。
急激に気温が下がり、街並みにイルミネーションが映える季節となってきました。
受験生のみなさんはインフルエンザや風邪に罹患しないよう最大限気をつけてください!

今回は、”受験勉強と医学部の勉強”というタイトルにしてみました。
私もそうでしたが、受験勉強をしていると誰しも一度は「この教科って医学部と関係あるの?」と思ってしまうことがあるのではないかと思います。
私はまだまだ未熟な医学生ですが、少しずつ医学を学んでいく中で「受験勉強ってここで役に立つのか…!」と感じることがいくつかありましたので紹介させていただきます。

まず、生物は本当に医学部の勉強と直結します。
私は物理選択だったので医学部に入ってからほぼ初見でとても苦労しましたが、メディカルフォレストの生物の授業後に板書を消しに行くと実際に医学部で学ぶ基礎医学と遜色ない内容を取り扱っていてとても驚きました。
人体のしくみだけでなく遺伝や発生のメカニズムなども医学部で学びますので、生物選択の人は入学後の基礎医学でとてもアドバンテージになると思います。

次に英語ですが、話す・聞く力は留学生や外国人患者さんとお話しするときに使います。しかしながら最も使うのは論文を読む際の”英語を読む力”かと思います。
とにかく論文は英語なので、英文をさらっと読めると本当に楽です。もちろん現代では翻訳アプリもありますが、文法の繋がりが不完全な時や翻訳の手間がありますのである程度の英語力は必要です。

次に化学ですが、生化学の分野で必要なことは想像がつくかと思います。しかし、以前に皮膚科の金属アレルギーの講義でイオン化傾向の話が出てきて私としては少し驚きました。例えば同じ金属であっても乾いた肌の状態と汗をかいた状態でアレルギー症状の出方が異なり、それは汗に含まれる塩化物イオンによって金属がイオン化するから…といった話でしたが、意外なところで受験化学が役に立つことがわかりとても印象的でした。

続いて物理は整形外科や放射線科などの分野で役に立ちます。整形外科ではどこに重心がかかるかなどを考えてリハビリ器具や身体の負担を考えますし、放射線科では放射性物質の透過率等を考慮してできる限り体に害のない治療計画を作成します。

最後に数学ですが…。どちらかというと学ぶ内容よりも思考の過程を使っていくような実感があります。もちろん研究の分野で必要な統計学では積分などを用いますが、臨床分野であれば、この検査結果が出たから次はこの検査、この治療で効果が得られないから次はこの治療…といった選択の過程が数学に似ているのかなと思います。私は数学が苦手だったのでこれ以上は言えませんが…。

とにかく、今みなさんが学んでいる受験勉強はこの先の医学部の勉強にも繋がっている!ということがお伝えできればなと思い今回はこのテーマにしてみました。
しかし、実のところなにより受験勉強が役に立つと感じたのは内容云々よりも勉強の習慣です。
医学部の単位は全て取れないと留年になってしまうのですが、そんな大切な試験勉強前には”受験生の時にあれだけ頑張れたのだから大丈夫!”と思って勉強に向き合っています。今みなさんが培っている長時間机に向かう集中力・誘惑に負けないメンタルの強さこそが実は医学部で一番役に立つのかも…と私は密かに思っています。

少しでも医学部受験生が受験勉強と向き合うモチベーションになりますように…。

医学部専門予備校メディカルフォレスト 深見