第6回目のフォレストクイズです!今回はタイムリミットが迫ってきている「あるもの」についての問題を出題します。
Q.平成9年度から19年度生まれで接種の機会を逃した女性に対する「キャッチアップ接種」が現在行われている、子宮頸がんなどをはじめとする病気に関わるウイルスの感染を予防するワクチンは「何ワクチン」?
~答えは下にスクロール~
A.HPVワクチン
HPV・ヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus)は子宮頸がんや尖圭コンジローマなど多くの病気の発生に関わっており、HPVワクチンはその感染予防のために小学6年生から高校1年生の女性に対して定期接種が行われています。しかし、かつてHPVワクチンの安全性に疑問が呈された時期があったために、その接種の機会を逃した世代がおり、有効性や安全性が確認された現在、その世代を対象に「キャッチアップ接種」という無料で受けられる予防接種が実施されています。記事の冒頭で「タイムリミット」と言ったのは、このキャッチアップ接種が行われるのが2025年の3月末までだから。この接種は3回受ける必要があり、厚生労働省によると4価や9価のワクチンであれば4か月ほどの期間で3回の接種が可能とのことで、11月末までに最初の接種を終わらせればキャッチアップ接種の期間内に間に合う、との見解が示されています。
さて、このHPVワクチンの定期接種やキャッチアップ接種は女性を対象としていますが、HPVワクチンは男性にも有効なワクチンであることも重要事項です。HPVは性的接触によって感染することが多いため、男性から女性に感染することも多々あり、性別に関係なく感染する病気・性感染症にも関係しているため、男性にとってもワクチン接種は重要といえます。ですが現在の日本ではほとんどの場合、男性がHPVワクチンを打つには全額自己負担で数万円を支払わなければならないため、そのハードルは高いと言わざるを得ません。そもそもHPVワクチンが男性にとっても有用であることそのものがあまり知られていないという実態もあります。この点については、これからの啓蒙活動が重要になってきそうです。
明日からは11月。徐々に冬めいてくる時期を迎えました。空気が乾燥してくる時期だけに手洗いうがいは余計に欠かせなくなってきますね。皆が無事に過ごせますように。頑張れフォレスト生!
医学部専門予備校メディカルフォレスト 上山
(次のフォレストクイズ更新は11/2の予定です。)
出典
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_catch-up-vaccination.html
NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241012/k10014607781000.html
https://www.nhk.or.jp/minplus/0119/topic025.html