東京慈恵会医科大学は、西新橋のビジネス街の一角にあり、歴史を感じさせる建物の大学本館と首都高からも眺めることのできる超高層の大学1号館、そして、病院施設がいくつも並んでいます。
このように慈恵は、都心の学校というイメージが強いのですが、実は1年次の校舎は、京王線の国領にあります。
そして、部活動の大半は国領で活動するため、上の学年になってもしばらくは国領まで通っているようです。
慈恵受験者のほとんどは国立と併願しています。
その中でも、東京大学、東京医科歯科大学医学部、横浜市立大学医学部、千葉大学医学部と掛け持つ生徒が多いようです。
東京大学の併願者の中には必ずしも、医者になりたい受験生ばかりではありません。
医者と東大理Ⅰ、理Ⅱで揉める親子も少なくありません。
生物、物理、化学が好きでも好きな分野の研究者になれる人はほんの僅か、客員研究員などとして海外の大学へ行くオーバードクター(大学院博士課程修了者)がたくさんいますが、安定した職業ではありません。そんなこともあり、東大卒業生の再受験者も含め、いま医学部受験者は大混戦になっています。
そして、この東大と私立医学部の併願者は、近年慈恵ばかりでなく、順天、慶應、日医、昭和でもみられます。
慈恵の3年前の物理の大問の1つは、その前年の東大の類似問題でした。
この問題は出題頻度がまれであったため、多くの物理選択の受験者が泣きましたが、東大を目指して準備をしていた受験者はにっこりでした。
その時、残念な結果になった受験者の成績開示をみせてもらいましたが、1次試験の合格最低点に30点足りず、順位はBランク。
つまり、1次通過まであと30点の間に251人から550人いたことになります。
この受験生の慈恵医大合格はボーダーライン上と予測していました。
しかし、最初の理科で大問ひとつを落とすという大穴を開け、数学、英語にも響いてしまいましたが、もともと実力が高かったので他の難関大学医学部に合格しています。
医学部への道は僅差で決まり、大問ひとつミスすると大きな致命的となりうる大激戦です。
今年の慈恵の繰り上がりは動いた情報がありません。
数年前、補欠1番と5番が関わりのある受験生でしたが、3月1日の卒業式の日までに繰上合格の通知はきていないとのことでしたので、今年も例年通りの時期となるのでしょうか。
今年は、他の大学でも繰上合格の動きがまだ少ないようです。
フォレスト生でも待っている学生がいます。
国公立の発表があってから一気に動き出すのではないかと期待しています。
教務スタッフ